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しかし2人は、動かない。
というより、山崎は動きたくても腕が動かないのかぷるぷるとサブマシンガンを持つ腕が震えている。
原は、それをわかっていたかの様にガムを膨らませている。
「おまっ…毒って…これかよ」
「だから言ったじゃん。もうサブマシンガン持ってるのも辛いでしょ」
「お前…ホント性格悪いな」
「ハハッ、今更だよん。で? ザキはどうして欲しい? ジワジワなぶり殺されるのとサクッと殺られるのどっちがいい?」
「…どうせ、ジワジワ殺すくせによく言うぜ!」
「まっさかぁ? キラだったらそうかもしれないけど、俺ってば優しいからね」
身動きが取れない山崎にゆっくりと近付くと原は、ガムを取り出して山崎の口に捩じ込んだ。
そして原がプクゥーとフーセンガムを膨らまして、山崎の頭をメチャクチャに撫でた。
それを睨み付ける山崎だったが、すぐに諦めたように瞳を閉じた。それに気付いた原がゆっくりとマグナムを取り出すと山崎の額に突き付けた。
「痛くなければいいねん」
「チッ…さっさと殺れよ」
「ん、じゃあねザキ〜」
「俺を殺しといて殺されんなよ」
「なにそれwww カッコつけんなってwww じゃ、バイバーイ」
パンッと原のフーセンガムが割れたたと同時に響き渡る銃声。そしてゆっくりと崩れる山崎の体。
それを暫く見つめる原だったがすぐに身を翻した。
そしてそれを確認した高尾が複雑そうな顔で木から降りてきて、原に駆け寄った。
「さすがに辛いっすか?」
「まっさかぁ〜思ったよりゲームだったって感じ。ホント、サバゲーっぽい」
「確かに、そうすよね」
「っ! 高尾、危ないっ!」
「え、うわっ!?」
急に原が声を荒げて高尾を突き飛ばすと原がお腹を押さえて膝を付いた。
ジワジワと赤いシミが服に広がっていき、自然と原の呼吸が荒くなる。
それに気付いた高尾がすぐに原に近付こうとするがそれを原が止めた。
「スコープ…かよ。ついてないなぁ…光の反射で気付けたけど…食らっちった」
「原さんっ…! な、なんでっ…」
「いいから、俺が盾になってるから早く木に登って位置確認しろって…」
「…了解っす。死んじゃダメっすよ!」
そして高尾を守るように立つ原だったが、それ以上の攻撃はなく…高尾が木に登りきったところでゆっくりと木に身を委ねるとズルズルと座り込んだ。
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