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そして場面は、誠凛2人の対決(?)に戻る。
「やるな、日向!」
「あったり前だ! ダァホ!」
なんだかんだで体力は、消耗している2人だがまだまだ元気そうである。
と言っても体は、ボロボロなのでただの意地の張り合いになっている。
しかしお互いに遠距離武器は使わずになんとも言えない戦いを繰り広げていた。
しかも銃撃戦ではないので音はそれほどうるさく、邪魔が入ることはないと思っていた2人だった。
だがしかし、タイミング悪く近くを通り掛かる者がいるのであった。
「……日向さんと伊月さん…」
「お前は…」
「邪魔が入るとは思わなかったな」
「ぼ、僕は日向さんを許さないですっ…!」
「まぁ、そうなるだろーな」
「なんかあったのか?」
現れたのは、桜井だった。
しかも桜井は、日向達に大坪を殺られた事を根に持っていた。正確には、大坪が自らを撃ったのだけど桜井からしたらそんな事は、関係無いわけで。
桜井の手には、マグナムが握られている。そしてその銃口は、日向の方を真っ直ぐ向いている。
しかし桜井の手は、カタカタと震えており標準が定まっていない。
「…やめとけって」
「や、やめませんっ…!」
「日向…これどうするんだ?」
「俺と戦いたいなら俺が伊月を倒すまで待ってろ」
「そ、そんな…必要ないですっ…!」
「そんなガタガタしてる奴がなに言っ…なっ!?」
「こ、これなら…これならっ…!」
カタカタとマグナムを構えていた桜井だったが、片手でなにかを取り出すと真っ青な顔をして日向達に突っ込んで行く。
それに対して日向と伊月も驚きの余り目を見開いたまま動けずにいた。
そして桜井が迫って来てやっと我に返った2人だったすでに桜井は、目の前に迫っていた。
「ぼ、僕と一緒に死んでくださいっ…!」
「ふ、ふざけんなっ!こっち来んな!」
「まさか…それをっ!?」
「お、大坪さんの仇ですっ…!」
「や、やめろっ!」
日向と伊月の言葉は、桜井には届いておらず腕に抱えていた手榴弾を足元に落とすと、ニコリと笑った。
そしてその瞬間に手榴弾が光だし、凄い爆風と爆音に包まれた3人は跡形もなく吹っ飛び、その場には大きなクレーターが残っただけだった。
そして伊月と合流する為に近くに来ていた青峰と瀬戸がその爆音に気付きチームメンバーの確認をしたが、少しだけ険しそうな顔をして顔を見合わせるとゆっくりと頷き足早にその場を去っていった。
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