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しかし赤司は、目の前の彼女に負ける気はしなかった。いくら、喧嘩慣れをしていると言っても所詮は女の子。
なんて甘い事を考えていた。
が、相手はあのキラである。
いきなり、飛び掛かってきたキラはニコリと笑うと赤司の脇腹目掛けて蹴りを入れる。
咄嗟に避けようとするが、余りのキラの攻撃の速さに避ける事が出来なかった。そして、脇腹を押さえて膝を付く赤司を見下すと、つまらなそうに眉を下げた。
「うーん? 君って喧嘩慣れしてないね? ガードくらいしなよ」
「そんな野蛮人と同じにしないで欲しいね」
「ま、あんたはその野蛮人に殺られるんだけどねぇ〜」
「いや、それはない」
「…はぁ?」
「君に殺されるくらいなら僕は、自ら退場させてもらうよ」
「ちょ、まっ…!!」
キラに脇腹を蹴られて苦痛に歪む赤司だったが、最後にニコリと笑うと隠し持っていた毒薬を飲み干した。
その姿を見てキラは、目を丸くしたままその場に固まってしまった。
いくらなんでも自殺はないでしょ…?てか、なにそれ…結局は逃げじゃん!
つまんないっ!
ドサリと力なく地面に崩れた赤司をキラは、睨み付けると原からアサルトライフルを受け取り、赤司に向けて撃つが既にそこに赤司の姿はなかった。
「キラ、やめなって。まぁ、キラからしたらムカつくんだろうけど」
「なんなの!? どうせ死ぬんだから死ぬ気で掛かって来いよバァカ!」
「まぁ、とりあえず任務完了や。早いところ連絡せんと」
「あっくん、そいつあたしに譲ってー! 今、あたし凄く機嫌悪いの!」
「えぇ? 別にいいけど…」
不完全燃焼のキラは、紫原と対峙している葉山に目を付けた。
が、葉山もそこまでバカじゃない。赤司が殺られたとわかった葉山は、紫原がキラに気を取られている間にその場から逃げ出した。
それにキラが気付いてアサルトライフルを撃つが、葉山に当たることはなかった。
「あぁ、もうっ! バァカバァカ!」
「ちょ、キラさん落ち着いて下さいよ! 後、乱射やめて!」
「もうこの際だから高ちゃんでもいいよ!」
「えぇ、なんでーー!?」
「こら、キラダメっしょ。つーか、キラの本命は花宮なんだから我慢しなって」
「そうだよ! 花宮だよ! 花宮どこなのー!!!」
「いや、キラうっさいから…」
ギャーギャーと地団駄を踏みながら悔しがるキラをよそに、誰かとの通話を終わらせた今吉はにやりと笑うとほな、次に行くで?とキラの頭を撫でた。
が、全力で振り払われた。
そのくらい機嫌が悪いキラであった。
(ふぅ、やっと終わったか…)
(僕は、負けてないよ)
(大坪イケメン過ぎだべ)
(赤司、お前後でペナだかんな)
(…なんでですか?)
(いくらなんでも自殺はねぇわ)
(てか、今吉チームなんなのマジで)
(怖すぎっスよ…あれ)
(あ、黄瀬、お前もだからな)
(えぇ!?なんでっスか!あれは事故っス!)
(うっせぇ、つまんねぇ奴はペナだ)
((…理不尽だ。※黄瀬、赤司))
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