ゲームを殺ろう! | ナノ
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 08*(2/4)



虹村のアナウンスにより、慎重に行動をしていた者達もまんまと虹村の思惑通りに支給武器を取りに向かっていた。


そして見事に鉢合わせをする訳だ。



「残念だったね! ここの武器は、俺等が貰ったよ!」

「ひ、日向さんに…小金井さん…」

「また妙な組み合わせだなぁ? ま、とりあえず会っちまったからには死んでもらうぜ!」

「桜井、逃げるんだ。応急品を持つお前が死んだから他の奴等にも関わる」

「で、でもっ…」



鉢合わせをしたのは、日向、小金井と大坪、桜井の2組だった。しかし、すでに支給武器の箱は日向達に開かれていた。

しかも例の新武器では、無さそうだがどう見ても武器に差がありすぎる。

マグナム2丁を構える小金井と日本刀とリボルバーを構える日向に対して、大坪と桜井は二人でマグナム1丁と木刀1本、手榴弾×2しか持っていない。

手榴弾があるならまた使えばいいじゃないか! と思う方もいるかと思うが、目の前で手榴弾を投げ付けて来たら普通の人なら避けるか逃げるだろう。

つまり、大坪は手榴弾を無駄にするなら俺が犠牲になる精神な訳だ。

それに桜井の支給品が応急品なのでここで死なれたら、実渕や木吉が怪我をした時などに補充する事が出来なくなる。

そう思った大坪は、オロオロとしている桜井を突き飛ばしてマグナムを構えた。



「お、大坪さんっ…!」

「大丈夫だ、運良く生き残れたらすぐに追い掛ける。だから逃げてくれ」

「は、はいっ…必ず追い掛けて来てくださいっ…」

「日向、見逃すの?」

「あぁ! 俺は、勝てればいいんだ! 勝ったら戦国武将のフィギュアを買うんだ!」



日向が賞金をなにを使うのかは限りなくどうでもいいのだが、殺る気満々なのは確かな様で大坪にリボルバーの銃口を向けた。

その瞬間に、大坪の方が先に反応にしてマグナムを日向に向けて撃つが狙いが定まらず、腕をかすっただけだった。

しかしそれが戦闘の合図となり小金井が援護射撃をし、日向が日本刀を構えて突っ込んでくる。


暫く交戦した結果、小金井の撃った弾丸が大坪の足を貫き動けなくなり、日向が顔が歪めながらゆっくりと歩いてくる。

しかしその瞬間、大坪が自分のこめかみにマグナムを突き付けた。


「いくらゲームでも殺るのには抵抗があるんだろ? 無理するな。俺の負けだ、潔く死のう」


その言葉を最後に大坪は、自分のこめかみを撃ち抜いた。それに対して、日向と小金井は目を反らして静かにその場を去った。




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