ゲームを殺ろう! | ナノ
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キラ、原、高尾の突然の行動にさっきは度肝を抜かれた様子の花宮だったが、すぐに落ち着きを取り戻した。

よく考えたらあいつらなら喜んでこのゲームを楽しむに決まってるしな。と心の中で納得していた。



「あ、ありがとう…助けてくれたのよね?」

「あぁ? 別にそんなんじゃねぇよバァカ」

「花宮、素直になりなって。キラと原が組んでるんだよ? 意地張ってるとマジで殺られるよ」

「チッ…とりあえず、無事なんだな。ほら、これさっさと付けろ。発信機だ」

「これでみんなの場所がわかるのか? でも青峰と灰崎がいない様だが?」

「その内来るんじゃねぇの、知らねぇよ」



なんだかんだで、これからどうするかを話し合う花宮達だった。

そして花宮とリコ達が和解という程ではないが、ある程度のまともに話し合いをしている一方で…ゲームは進行していた。


◆◇◆◇◆



「試し撃ちさせてくれってェ。あ、もしかしてマジで武器ない系?」

「…早川、お前だけでも逃げろ。武器がねぇ以上、2人で向かって行っても無駄だ」

「ダメッスよ! 福井さんも逃げるんです!」

「はいはーい、じゃあ10秒待ってやるよ」

「へぇ、お前見た目によらずいい奴だべ。なんなら見逃してくんね?」

「あ? それは無理だね。はーい、あと5秒〜」



アサルトライフルを構える灰崎の姿がそこには、あった。銃口は、真っ直ぐと背に早川を守るように隠している福井に向いている。

森の中で盗聴器を適当に付けていた福井と早川だったが、いつの間にか背後にいた灰崎に気が付いたら銃口を向けられていた。

つまり、既に逃げる事が出来ない状態だったのだ。しかし、どうにか早川だけでも逃がしたい福井は早川を説得する。



「これは、ゲームだろ? だけど、無駄死には嫌なんだよ。だから、お前は逃げて勝ってくれって言ってるんだべ!」

「だ、だけどっ…嫌ですよ!」

「はい、ゼーロー」

「…っ行けや!」



そして福井が早川を突き飛ばした瞬間に一つの銃声が鳴り響く。そしてゆっくりと福井の体が傾き、地面へと倒れた。

生々しく真っ赤な水溜まりが出来ていく。それを見た早川は、瞳に涙を浮かべながら"すげぇ〜"となにやら興奮気味の灰崎に向かって行った。


「あーあ、逃げれば見逃してやったのになぁ…じゃ、バイバーイ」


ニヤリと笑った灰崎は、すぐさまこちらに向かってくる早川に銃口を向けて引き金を引いた。

そしてゆっくりと崩れ落ちていく早川に目もくれず灰崎は、その場から去っていった。


そしてそのあとすぐに福井と早川の体は、跡形もなく消えた。



(はい、福井さんお疲れ様です)
(くそ、あっさり殺されたべ)
(うおぉお!!福井さぁあぁん!!)
(ぐへっ…な、なんで早川いんだよ)
(仲良く灰崎に殺られたんですよ)
(お前逃げろって言ったべや!)
(なんかもうダメだったんですよ!)
(泣くなや!生きてるべや!)
(まぁ、福井さんも早川もいい死に様でした)
(ちょ、こっち見ないで欲しいッス!)

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