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そして未だに合流が出来ていないチームが1つ。花宮チームである。
というのも、メンバーの相性と個性が強すぎる故に、なかなか集まらないのだ。
「花宮〜? さすがに2人のままで勝てる程、楽じゃないのわかってるんでしょ?」
「んなのわかってるよ。だからってあっちが来ねぇんだから仕方ねぇだろ」
「まぁ、でも灰崎は向かってるって言ってたじゃん。ホントかどうかは別として」
「青峰も支給武器取ったら行くなんて言ってたが、信用出来ねぇからな」
今現在、リーダーである花宮の元にいるのは同じ霧崎でもある瀬戸ただ1人である。
完全に日頃の行いのせいである。
舌打ちをしながら支給品である発信機(GPS)を腕時計に付けていると遠くから銃声が聞こえてきてゆっくりそっちの方を向く。
瀬戸にも聞こえたみたいでいつもの寝惚けた顔ではなく、真剣な顔でゆっくりと頷き音がした方へ向かう。
そしてそこで目にしたのは、まさかの光景だった。
「ちょっと〜逃げないでよ。てか、戦う気がないなら大人しく殺られてくんない?」
「ちょ、キラ撃ちすぎだってばwww」
「だってちょろちょろして当たんないんだもん!ほらほら〜、ドタマ撃ち抜いてやるから出てこいやー!」
「てか、んな乱射してたら誰か来るからwww」
「来た奴も一緒にぶっ殺してやるー!ヒャッハー!」
「まさにトリガーハッピーwww」
サブマシンガンを乱射しているキラとショットガンを構えて大爆笑をしている原の姿だった。
そしてそのキラが放つサブマシンガンの先には、木の影に身を隠している誠凛の監督とそれを守る様に覆い被さっている伊月の姿があった。
先を歩いていた瀬戸がどうする? と困惑した様子で頭を傾げる。
「チッ…ナイフ2本出せ。俺があのバカ2人を引き付けてやるからその内にあいつらと逃げろ」
「いや、それ花宮死ぬでしょ」
「ふはっ、死なねぇよバァカ。あのバカ2人の事だ簡単に俺を殺したりしねぇよ」
「あ、あぁ…なるほど。人数はこっちの方が多いけど武器ないからね」
「誠凛の監督と伊月がなんか持ってればいいけどな。まぁ、それはねぇだろ」
そう言うと、キラが乱射しているせいで銃声が煩くて足音でバレる事はないので、花宮はキラと原の背後に周り込んだ。
そして花宮が原に向かって勢いよくナイフを投げつけた。
が、花宮が放ったナイフは原に刺さる事はなくゆっくりと地面に落ちた。
「原さんは、殺らせないっすよ! キラさん、花宮さん釣れましたよ!」
「ちょ、マジでwww やだ、花宮ったら単純www」
「て、事はあの誠凛の2人が花宮んとこのチームってのは確定した訳だねん」
「よしよーし、仕事は終わりだ! 高ちゃん、原ちゃん引き上げるぞーい!」
「て、テメェ等…まさか…」
「そのまさかっ! まぁ、またすぐ会うだろうし、それまでに武器調達しといてね〜! 無抵抗な花宮ぶっ殺してもつまらないから! じゃね〜!」
花宮のナイフをナイフで叩き落としたのは、高尾だった。そうなると高尾は、花宮が原かキラのどちらかを狙うことがわかっていた事になる。
つまり、キラと原はある意味囮だったわけだ。
しかしそんな事を考えてる余裕はなく、瀬戸に声を掛けられるまで花宮は茫然としていた。
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