ゲームを殺ろう! | ナノ

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そして未だに合流が出来ていないは、花宮チーム、大坪チーム、岡村チームの3チームである。

そしてそんな中、必死にチームに合流しようと森の中を歩き回るデルモがいた。



「あぁ…もう、全然合流出来ないッス」


そう、キセキの世代黄瀬涼太だ。ルックスオッケー、運動神経オッケーな黄瀬だったが…他校からの信頼は薄い。

というのも、黄瀬が人気モデルということで女の子にキャーキャー言われてるのをよく思ってない人もいるからだ。

しかも黄瀬も満更でもない様子なのが、更に腹立たしいのであろう。

それに加えて、このモデルの支給品は衣服である。完全に喧嘩を売っている。


しかも先程から森の中を闇雲に歩き回って服が汚れただのなんだとと既に着替えを2回している。


そしてまたしても意味のわからないお着替えタイムに入る黄瀬だったが…

黒いスキニーデニムを履こうとしていたのだが、履きにくいスキニーに加えてここは、森である。

バランスを崩してピョンピョンと片足のまま、前に進んでいく。なんとも滑稽な姿である。


そして勢いに乗った黄瀬は、そのままピョンピョンと訳のわからない声をあげながら森の中をケンケンの要領で進んでいた。

が、先の道がない事に気付く。つまりは、崖だ。


必死に止まろうとする黄瀬だったが、勢いに乗っていた上に急に止まったらそれこそ転んで崖に真っ逆さまである。

が、止まらない訳にもいかない。



「ちょ、マジッスかぁああぁあ!?」



つまり、結果的に落ちるしかなかった。

さすがにルックスオッケーの運動神経オッケーのモデルでも、崖から落ちればどうにもならいのである。

というか、こいつはなにをしているんだ。


そして栄えある(?)最初の脱落者は、黄瀬涼太になった訳だ。


そして誰よりも早くゲームから帰ってきた黄瀬を迎えたのは、虹村の満面の笑みだった。



「おい、黄瀬ェ…お前、な に し て ん だ ?」

「ひ、ひぃっ…! す、すんませんっしたー!!」

「崖から落ちて死ぬとかなんなの? バカなの? マジで死ぬの?」

「だ、だって…バランス崩しちゃって!」

「着替えなんかしてんじゃねぇよ! 自滅すんなら派手に自滅しろや! なんなら、C4抱えて赤司に突っ込むくらいしろ!」

「え、えぇっ…!?」



そして理不尽ではないが、虹村の鉄拳を食らう黄瀬だった。虹村からしたらリアルファイトが見たかった訳で(主にキセキの)、こんな序盤にしかも間抜けた自滅となればそれは怒りたくもなる訳だ。

相変わらず、不機嫌な虹村だったがなんだかんだで"さっさと来い、一緒に見るぞ"と黄瀬をモニター室へと呼ぶのであった。




(お前、どこのチームが勝つと思う?)
(え、赤司っちのチームっすかね…?)
(まぁ、妥当なところか)
(でも笠松先輩にも頑張って欲しいッス!)
(お前のチームの応援は、なしかよ…)
(いや、なんか会う前に俺死んだし…)
(パンツ姿で崖から落ちてな)
(や、やめて下さいッス!)
(まさにモデル(笑)だったわ)
(泣くッスよ!?)

残り 39人


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