▼ 06*(3/5)
そして先に飛び出して来たのは、キラである。
「いつまで隠れてんだー! 出て来いやー!」
先に隠れたのは、お前だろ…と突っ込みたいがスルーをする原と高尾。
そしてキラが出て来たのを確認すると高尾が原にコクリと頷き、手榴弾のピンを口で外すとサブマシンガンを構えて飛び出して行く。
「キラさん、覚悟ッス!」
「なッ…高ちゃん!? ちょっ、それはないっ!!!」
「俺と一緒に死んで下さいッス!」
「…くぅッ!! それ邪魔ァァッ!!」
「…ッ!! さ、さすがッスね」
さすがのキラも、サブマシンガンを片手で乱射しながら手榴弾を持って突っ込んで来る高尾に苦戦する。
サブマシンガンのせいで逃げるに逃げれないのだ。
しかし、多少撃たれても死ななきゃ安い精神でマグナムを取り出し高尾の右腕を撃ち抜き、木の影に隠れようとするが間に合わず、直撃こそ回避したが手榴弾の爆風に吹き飛ばされた。
「っ、ぐはっ!! ・・・っ!」
「はい、キラの負けだよん」
「は、原ちゃん…」
見事に吹っ飛んだキラは、地面に叩き付けられた。かなりのダメージを負った様で膝を付いている。
そこにショットガンを構えた原がゆっくりと近付いてくる。
だが、その瞬間にキラが煙り玉を叩き付けるが咄嗟に原がショットガンを撃つ。
微かにキラの悲鳴が聞こえ、原のショットガンは命中した様だった。
しかし、周りは既に真っ白で無駄に動き回ればキラにチャンスを与えると考えた原は、すぐに木を背にした。
そして木の上を見上げる。
もちろん、キラを探しているのだ。
原は、高尾以上にキラが木登りが得意なのを知っていた。というか、キラの身体能力をよく知っている原は、木の上に逃げたと確信していた。
そしてチラリとキラの姿が見えた原は、容赦なくショットガンを撃ちながらその木に向かって行く。
「ッ! クソゥッ…先に原ちゃん狙えばよかった、しっ!」
「ちょ、うわぁ…その怪我でまだ動けんの? さすがに引くって」
「うっさい! 死んじゃえッ!!」
「いや、死ぬのはキラでしょ」
必死に木から木へ飛び移りながら、原の容赦ないショットガンの攻撃を回避しながらキラもサブマシンガンで応戦する。
しかし、乱射と言っても連射力が低いショットガンとサブマシンガンでは分が悪く、原はキラの位置を確認してから木の影に隠れた。
prev / next