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そして辺りが薄暗くなって来た頃。
流石に長時間、警戒しっぱなしだった原高コンビは疲れていた。
そして疲れながらも警戒は怠っていなかったはずの高尾が、突然の銃声と共に木から落っこちてくる。
左肩から血を流している高尾に駆け寄り、木の影へ引っ張り込む原だったが高尾の傷は深い。
「うわっ! ズレたし! この暗さと距離なら仕方ないか〜! って事で原ちゃんと高ちゃん覚悟ー!!」
高尾を狙撃したのは、もちろんキラだ。しかも警戒している2人に気付かれない様に、わざわざスナイパーライフルを支給箱まで取りに行っていたのだ。
なので、ここに辿り着くまで時間が掛かったのだ。
しかし、思いの外時間が掛かってしまい周囲の暗さで狙いがズレて高尾を殺し損ねた訳だ。
ポイッとスナイパーライフルを放り投げると、木から木に飛び移りながら原と高尾の元へ近付く。
そしてそんなキラに向かってショットガンが撃つ原だったが、木の上にいるせいで当たるに当たらない。
逆に言えば、スナイパーライフルと言って木の上にいた高尾を狙撃したキラは流石である。
「チッ、高尾!」
「…っ、了解ッス!」
「ぬわッ! ちょっと! 流石に罠あるかなぁ〜って思ってたけどナイフとかッ!!」
「まぁ、キラに効くとは思ってなかったけど…ねんッ!!」
「…ッ! 原ちゃんは容赦ないなぁッ!」
原の言葉に近くに仕掛けてあった罠のワイヤーをナイフで切る。その瞬間、無数のナイフが降り注ぐ。
しかし、キラは背負っていたサブマシンガンでナイフを振り払う。
それを確認する前にキラがナイフを回避するのを確信していた原が、キラの懐に潜り込みそのままキラを蹴り飛ばしショットガンを構える。
しかし原に蹴り飛ばされながらも咄嗟に木の影に隠れるキラに、原が舌打ちをしながら高尾に目配せをしキラと同じ様に2人も木の影に隠れた。
「高尾、お前は後ろから援護して」
「っ、いや…俺が囮になるんで原さんはキラさんを殺る事だけ考えて下さい」
「なに? やっぱり肩ヤバい感じ?」
「…正直、もう痛みはないッスよ。だけど感覚ないし、ちょっと視界が霞んでるんで…長くは持たないッス。だから」
「ん、わかった。まぁ、手当てする時間をキラがくれる訳ないしね」
そして左肩を押さえながら苦笑いを浮かべる高尾に原が手榴弾を渡した。
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