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しかし、そんな2人に近付く影が1つ。
相変わらず、膠着状態の花宮と虹村はお互いの腕を掴みながらよくわからない体制でギリギリとナイフで不問な戦いを繰り広げていた。
しかし突如、現れた人物が横から虹村を蹴り飛ばした。
その結果、虹村は吹っ飛び、花宮は虹村のナイフが掠り頬から血が滴る。
「ちょっとー! 花宮は、あたしの獲物なんだから! 修ちゃん許すまじ!!」
「…チッ、また厄介なのが来やがった」
「いってぇな! おい! 横からとかやめろよ!」
「花宮は、わたしの獲物なんだよ! 横取り厳禁だし!!!」
「うおっ!? お前、武器持ちかよ!!」
「イェーイ! さっきまで武器回収してたのだ!」
現れたのは、キラである。しかもかなりの武器を回収して来た様で、首から下げていたり背中に背負っていたりとなんとも重装備である。
もちろん、そんな重装備なのに身軽にぴょんぴょん跳ね回れるのがこのキチガイなんですが。
木から木を蹴って飛び回る姿は、どっかの兵長を彷彿とさせる速さである。
もはや、人間なのかも怪しい。いくら、ゲームだからと言ってもその動きはおかしい。
「ウラァァア! 修ちゃん死ねぇ!!」
「お前は、立体起動装置でも使ってんのかよ!?」
「慣れだよ慣れ! 森で遊んでれば出来る様になる! ちょ、避けんなぁぁあ! 死ねぇぇ!!!」
「…っ!? ショットガンはねぇよ! 避けられるかっつーの!」
「あ、花宮は避けてねー! 後でじっくりとっくり! いたぶってあげるからぁぁあ!!」
もはや、ただのキチガイである。
キラが放ったショットガンの弾丸が空中から降り注ぎ花宮と虹村を襲う。
しかし流石は、散弾銃だ。
致命傷ではないが見事に2人に命中する。
しかも虹村に関しては、完全にキラに狙われていたので辛うじて立っているがかなりのダメージである。
一方、花宮はどうにか身を隠した様で多少掠った程度だ。
「よっしゃ! 修ちゃん撃ち取ったりー! って、うわぁっ!?」
「そう簡単に殺らせる訳ねぇだろ、バァカ!」
「ちょっと! 花宮! なんで邪魔すんの!?」
「テメェが一番厄介だからに決まってんだろ、バァカ! おい、虹村あいつ先に殺るぞ」
「ま、しゃーねぇな。確かに、ここで俺が死んだらお前、絶対に殺られるだろうしな」
と言う事でまさかの花宮と虹村の共闘です。
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