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ど、どうしてこうなった。
数十分前。
今日は、久し振りにともだちとウキウキショッピングでもと連絡をした訳だ。
そしてともだちが迎えに来るという事で待っていたら…
「まーだ、ぶつぶつ文句言うちょるんか?ちゃんと事情は話したじゃろ」
「お前にともだちの代わりが務まると思ってんのか!!」
「むしろ、プラスじゃろ?」
「寝言は寝て言え」
何故か、仁王が迎えに来ました。
どうやら、ともだちは柳くんに掴まったらしい…。ちなみにあたしと約束しているからと言ったが、今回はどうしても頼むと言われたらしく、ともだちが悩んでいたら柳くんが仁王に連絡したらしい。
その結果、暇人の仁王がともだちの代わりにあたしとショッピングに行く事になったのだ。
もちろん、ともだちからは物凄い謝罪をいただいたので許すけどさ。
だけど、わざわざ仁王を寄越さなくてもいいと思うんだよね!むしろ、有り難迷惑だから!マジで柳くん許すまじ!!
「買い物に行きたいんじゃろ?」
「いや、別に。ショッピングはともだちと行きたかった訳で、仁王と行きたい訳じゃないからね」
「つまり、買い物は嫌なんじゃな?」
「別に嫌じゃないけど、ショッピングはともだちと行きたかったんじゃい!」
「なら、今日は俺とデートじゃな」
「・・・はぁ!?」
仁王と二人で出掛けるのは、別に初めてじゃない。
というか、マンションが一緒だし、たまに夕飯を一緒食べる流れでスーパーとかに行くからね。
だけど、デートってなんだ!? いや、デートはデートなんだろうけど! あたしと仁王がデートってなんだ!? 色々おかしいだろ!
「他になんか用事あるんか?」
「いや、ないけど!」
「なら決まりじゃな」
「なんでだ!!」
「俺に任せんしゃい」
「なにがだよ!?」
そして何故か、ウキウキな表情であたしの手を引く仁王にまるで付いていけないあたしである。
いやいや、マジでどこに行く訳!? 確かに、特に用事はないけどさ! ていうか、お前もなかなかの暇人だな!!
せっかくの休日を有意義に過ごそうとは思わんのか。
「恋愛偏差値低いなまえちゃんは、デートとかした事が無さそうじゃからな」
「残念!不本意だけど、した事ありますぅ〜!!」
「なんじゃと? 誰とデートしたんじゃ」
「跡部くんでーす。よくわからないけど、美術館デート的な感じでしましたぁ〜!!」
「なんじゃ、跡部か」
「なんだその顔!!」
あたしがデートをした事があるという事実に何故か、物凄く不満そうな顔をした仁王だったが、相手が跡部くんとわかるなりすげぇムカつく顔をされました。
なんだ、跡部くんが相手じゃ悪いってのか! いや、あたしもデートのつもりはなかったんだけどな!!
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