企画作品 | ナノ

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あーあ…気が重いなぁ。
アキラは、 "まぁ頑張れよ!" とか物凄い適当な事しか言わないし。

むしろ、止めるところでしょ。
付き合い始めの頃は、まだ手は出すなとかうるさかったのに…今となっては、頑張れってどういう事なんだよ…。

ていうか、隣の部屋にアキラがいるってわかってるからヤらないって言ってるのに、どうして頑張れって言葉が出て来る訳? なんなの…本当に。

そりゃあ、アキラがいないならまだわかるけど…普通に部屋にいるだろうし。そもそも、建前としては俺はアキラと遊ぶから泊まるって事になってる訳だし、意味わからないよね。

そんな事を考えながら、アキラん家に向かった。

そして、アキラん家に着いて…まずは、母さんに持たされた手土産をアキラに渡した。



「もう飯出来てるぜ! 荷物置いたら取りに来いよな!」

「…ん、わかった」

「なんか機嫌悪くね?」

「別に…普通だけど」

「まっ、いいか! なんか、珍しくなまえが頑張って料理してたみたいだぜ? よかったな!」

「へぇ…そうなんだ」



あぁ、もう…そういうところは、本当に可愛いよね…。だけど、アキラの前で喜ぶのも癪だから冷静を装った。

そしてさっさとアキラの部屋に荷物を置いて、リビングへと向かうと美味しそうな匂いと共に、なまえが嬉しそうに待っていた。

…まぁ、もちろん…アキラの親もいるから…そんな露骨に態度には出せないけど、多分…少しだけ頬は緩んだと思う。

それでなまえからお盆を渡されて、それを受け取ってアキラと一緒に部屋に向かう。 "後から、わたしも行くねー!" と言っているなまえに軽く頷く。ちなみに、アキラは "おーう!" とか軽く返事してた。

多分、怪しまれない様にしてるんだろうけど…なんか変な感じだよなぁ…。

ていうか、普通にアキラの親がいるのに泊まりに来いって言うのがおかしいよなぁ…。

そんな事を思いながら、アキラの部屋へと向かった。



「うし! で、どうする? 飯もなまえと2人がいいなら、なまえの部屋に行っていいぜ?」

「…まぁ、なまえが来たら決めるよ」

「まぁ、間違いなくなまえは、深司と2人がいいって言うだろうけどなぁー」

「そうなったら、アキラは1人でご飯食べる事になるよね。可哀想に…」

「うるせぇよ!」



どう考えてもうるさいのは、アキラなんだよなぁ…。

そして、なまえがすぐに部屋に来たかと思ったら "深司こっちこっち" とどうするか聞く前に部屋に呼ばれた。

ほらな? と言わんばかりの顔してるけど…アキラ、可哀想に。


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