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とりあえず、一旦なまえさんを解放すると逃げる様にベットに向かって行って、もはや誘われとるんやないかと思えて来た。
ほんで、勝手に布団にくるまってぷるぷると震えながら俺を睨むなまえさんが可愛えんやけど。
いやぁ…まだギリギリで襲わないでいる自分を誉めたい。
「もう寝るんです?」
「い、いやっ…わ、わたしは床で寝るから! 珍しく身の危険を感じている!」
「今更過ぎひん? それとも、そないに俺と一緒に居るの嫌なん?」
「その聞き方は狡い! い、嫌とかじゃないけどっ…ホ、ホントに心臓飛び出ちゃうからっ…意地悪しないでよ」
「…やっぱりなまえさんってアホッスわ」
「なんでやっ…ちょ、ひーちゃんタンマ! ち、近い近い! ぬわ、あうちっ…!!」
身の危険を感じているとか言いつつ、全く抵抗はせえへんし。そんな顔しながら、意地悪しないでとか言われたら逆に意地悪したくなるやんけ。
布団にくるまったなまえさんを抱き締めながらベットに押し倒すと、見事な身動きが取れない芋虫の出来上がりや。
んで、恥ずかしさからなのか目をギュッと瞑って "ひゃ〜…うへぇ…" とか訳のわからん事を言っとるなまえさんの頭を撫でると恐る恐るといった感じでなまえさんがゆっくりと目を開けた。
「っ、ひ、ひーちゃん…」
「光な」
「うっ、ひ、光…ちょっと、離して欲しいなぁ…」
「ほな、一緒に大人しく寝るって約束出来ます?」
「……っ、んー…す、する! で、でもっ…噛んだりしないでね!?」
「まぁ、努力するッスわ」
「いや、絶対だから!」
正直、もう少し楽しみたかったんやけど流石にいい時間やし、なまえさんは寝かせなあかんしな。
渋々、なまえさんから離れて布団を剥がすとそこには見事にパンツが丸見えのなまえさんがおる訳で…ホンマに目の毒なんやけど。
自分でやっといてアレやけど、こんなんで寝れるんか? 絶対に無理やろ。どないな地獄やねん、拷問やないか。
バサッと自分のパンツが丸見えな事に気付いていないなまえさんに布団を掛けて、ゆっくりとなまえさんに背を向けて俺も布団に入った。
いつもは色々セーブしとるけど、俺も健全な男の子やし…ましてや自分の部屋で好きな女が自分の服着て無防備に居ったらしゃーないやろ。とりあえず、ちょっと色々と大変な事になっとるから、少し落ち着かなあかんわ。
せやのに、俺の気も知らんで "えっ…お、怒った?" とか言いながら普通に背中にくっついてくるこのアホをどうにかして欲しい。
ホンマに襲うで、このアホ。
(近いって言うたんなまえさんやんか)
(た、確かに言ったけどさ!)
(なんや、寂しくなったん?)
(なっ、ち、ちがっ…わくはないけど!)
(……はぁ、ホンマなんなん)
(ご、ごめんて。でも一緒に寝るって言ったじゃん)
(はぁ…もうちょい待ってや)
(…? なにを?)
(ええから待っとれ、襲うで)
(ひ、ひえっ…! なんて理不尽な!)
(ホンマ腹立つわぁ…)※全力で攻めるが、結局ヒロインに振り回されてる財前。我慢出来て偉い。
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