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うーん、よくわからんな!

ご褒美と言うことで、わたしがお風呂を出てから千歳くんと一緒にDVD観賞をしているんですが、どの辺りがご褒美なんだろうか?

いや、まぁ…いつもの様に千歳くんに後ろからホールドされてはいるんだけど、他には特になんもない。普通にトトロを見ているだけである。



「これ、ご褒美になってる? いや、千歳くんがいいならいいんだけどさ」

「ずっとなまえと一緒にトトロ見たかったと。だけん、嬉しいばい」

「そうなの? たまたま、DVD持ってたからいいけど…持ってなかったらどうするつもりだったの?」

「次に来る時に俺が持って来ればよかばい」

「来る気満々! ていうか、本当にトトロ好きなんだね」

「ジブリはみんな好きだけん。なまえは好きじゃなかと?」

「いや、DVD持ってる訳だし好きだよ普通に!」



まぁ、千歳くんがトトロを好きなのは知ってたからね。そして本当に嬉しそうにわたしを抱っこしながら、ただただニコニコしている千歳くんが可愛いんですが。

尚、服は乾いたので上半身裸ではないので抱き付かれててもまぁ…問題はないです。

むしろ、千歳くんに抱き付かれてると眠くなる方が問題なんだよなぁ! この包容力(物理)のせいで、既に眠気が襲ってきている! まだ物語の半分にも来てないのに眠いんだよなぁ!!



「なまえ、眠いと?」

「なんですぐにわかるんですかねぇ…ほんと千歳くんって、察するの早いよね」

「素直になまえが俺に体を預けちょるけん、わかると。このまま寝てもよかよ?」

「でも千歳くんは眠くないんでしょ? それにDVDもまだ途中だっ…うわぁ!」

「ん、気にせんでよか。安心して寝ちょるなまえもむぞらしか」

「む、むむぅ…頭撫でられると反抗が出来ないのを知っててやってるな?…あぁ、もう笑顔でごり押しぃぃ!!」



もうね、千歳くんの笑顔の破壊力が凄い! もうね、ほんとに小さい子供みたいな笑顔で狡いんだよ! なのにやってる事は、カッコいいし優しいしで頭が混乱するんだぜ!

わたしを軽く横抱きとか、普通に子供には無理だし。むしろ、普通の男の人でも結構大変だと思う訳で…それをニコニコと笑顔でやってのける千歳くんである。

いや、よく考えたらわたしよく色んな人に運ばれてるわ。荷物の様にお手軽に運ばれてるわ。

でも、アレだよ! 千歳くんは安定感があるっていうかさ…なんか安心出来るんだよね。もちろん、他の人達が不安とかじゃないんだけどさ。

そんな事を考えながら、あたふたとしていたら千歳くんに "おやすみ" と笑顔でデコチューをされて、もはや眠気とかいう問題じゃなくなった。

キュンってしたし、恥ずかしいし! まじで千歳くんがわたしを殺しに来てやがる!!



(なにをするだね!?)
(ん? おやすみのちゅうばい)
(そのわたしがおかしいみたいな反応やめて!)
(顔真っ赤にしてむぞらしかねぇ)
(頭を撫でないで! く、くそぅ!!)
(今日はなまえを独り占めだけん嬉しか)
(ぴ、ぴえん! ち、近いし! 見つめないで!!)
(んーーーー…)
(唸りながら抱き締めないで!)
(ちゅうしてよか?)
(へっ!? いや、ダメだよ!?)

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