企画作品 | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -

 4/4


◇◆◇◆◇

「ぎゃっー! こわいこわいこわい!!」

「ははは」

「笑い事じゃないがな!!」

「このまま1回転出来るかな」

「ちょ、やめろ! 精市なら本気でやりかねん!!」



小さな公園にある遊具なんて限られていて、懐かしさに釣られてブランコに乗ったのはいいけど、つまらなかったからなまえと二人乗りをしている。

なまえは座ってて安定感があるのに、何故かこわいと絶叫しているけど、俺はなんだか楽しい。

そして、ブランコって漕ぎ過ぎると1回転するよね。こう見えて、小さい頃に何度かやらかした事あるからね、俺。

でも小さい頃だから体重も軽くて怪我とかしなかったけど、今はさすがに危ないかな。

なまえもいるしね。



「ねぇ、俺も座りたいんだけど」

「ちょ、さっきまでばびゅんばびゅん漕いでた元気はどうした」

「え、漕いでいいなら漕ぐけど」

「すいませんでした、座って下さい」

「なまえは動かないでね」

「え、このままの状態で座るの!? まずは、止めようよ!」

「え? 大丈夫大丈夫」



そして若干顔を青くしているなまえを無視して、激しく揺れているままゆっくりと腰を下ろす。

え、狭いんだけど。
しゃがんだまではいいけど、足が入らないんだけど。いや、普通に考えたら子供用だから無理か。

ん〜、なまえが怖がってるのはわかるけど、まっ…大丈夫かな。



「ちょっとなまえ立って」

「はっ!?」

「大丈夫大丈夫。俺が座ったら座っていいから」

「いやいやいや! せめて、止めてからにしようよ!!」

「えぇ? でも座って漕ぐの大変だよ?」

「そこなの!?」



とかなんとか文句を言いつつも、ゆっくり立ち上がるなまえは本当に可愛いと思う。てか、どんだけ怖がってるの。脚がぷるぷるしてるんだけど。

そんな事を考えつつ、なまえが立った瞬間に足を滑り込ませて座り込むと、それを確認したのかすぐになまえがバッとしゃがんだ。

いや、うん…なんか、うん。

躊躇が無さすぎだよね。
いや、余裕がないんだろうけどさ。



「こ、こっわい!!」

「そう? 楽しくない?」

「ブランコで全力で遊ぶとか久し振り過ぎて恐怖だよ!」

「なまえってジェットコースターとかダメ? ていうか、乗って後悔するタイプでしょ」

「よくわかったな!!」

「なまえは、好奇心だけは人一倍あるからね」

「いや、みんなが毎回楽しいって言うからつい釣られて…その結果、毎回後悔するけどな!」



ふふふ、なまえらしい。

それにしてもなんの抵抗もなく、俺の足の間に座ってるのは気にしないんだね。

いや、まぁ…嬉しいけど。

それになんかこうやって二人で他愛ない話をして、ゆっくり出来るのも久し振りだしね。

ん、あー…やっぱり、まだ時期じゃないのはわかるけど、独り占めしたくなるなぁ。

そんな事を考えつつ、なまえとブランコに乗ったまま他愛ない話をして過ごした。




※引き続き遊園地の話
(精市はジェットコースター大丈夫なの?)
(うん、全然平気)
(苦手なものないのかよ!)
(ふふふ、そんな事ないよ?)
(絶対嘘だ!)
(まぁ、パッとは思い付かないけど)
(それないと同じじゃねぇか)
(あ、メリーゴーランドとかは苦手かな)
(ワロタ)
(あれ、つまらなくない?)
(理由が酷過ぎて笑えなかった)
(スピードが5倍くらいあれば、楽しそう)
(なにその恐ろしい乗り物)
.
prev / next