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「ぎゃっー! こわいこわいこわい!!」
「ははは」
「笑い事じゃないがな!!」
「このまま1回転出来るかな」
「ちょ、やめろ! 精市なら本気でやりかねん!!」
小さな公園にある遊具なんて限られていて、懐かしさに釣られてブランコに乗ったのはいいけど、つまらなかったからなまえと二人乗りをしている。
なまえは座ってて安定感があるのに、何故かこわいと絶叫しているけど、俺はなんだか楽しい。
そして、ブランコって漕ぎ過ぎると1回転するよね。こう見えて、小さい頃に何度かやらかした事あるからね、俺。
でも小さい頃だから体重も軽くて怪我とかしなかったけど、今はさすがに危ないかな。
なまえもいるしね。
「ねぇ、俺も座りたいんだけど」
「ちょ、さっきまでばびゅんばびゅん漕いでた元気はどうした」
「え、漕いでいいなら漕ぐけど」
「すいませんでした、座って下さい」
「なまえは動かないでね」
「え、このままの状態で座るの!? まずは、止めようよ!」
「え? 大丈夫大丈夫」
そして若干顔を青くしているなまえを無視して、激しく揺れているままゆっくりと腰を下ろす。
え、狭いんだけど。
しゃがんだまではいいけど、足が入らないんだけど。いや、普通に考えたら子供用だから無理か。
ん〜、なまえが怖がってるのはわかるけど、まっ…大丈夫かな。
「ちょっとなまえ立って」
「はっ!?」
「大丈夫大丈夫。俺が座ったら座っていいから」
「いやいやいや! せめて、止めてからにしようよ!!」
「えぇ? でも座って漕ぐの大変だよ?」
「そこなの!?」
とかなんとか文句を言いつつも、ゆっくり立ち上がるなまえは本当に可愛いと思う。てか、どんだけ怖がってるの。脚がぷるぷるしてるんだけど。
そんな事を考えつつ、なまえが立った瞬間に足を滑り込ませて座り込むと、それを確認したのかすぐになまえがバッとしゃがんだ。
いや、うん…なんか、うん。
躊躇が無さすぎだよね。
いや、余裕がないんだろうけどさ。
「こ、こっわい!!」
「そう? 楽しくない?」
「ブランコで全力で遊ぶとか久し振り過ぎて恐怖だよ!」
「なまえってジェットコースターとかダメ? ていうか、乗って後悔するタイプでしょ」
「よくわかったな!!」
「なまえは、好奇心だけは人一倍あるからね」
「いや、みんなが毎回楽しいって言うからつい釣られて…その結果、毎回後悔するけどな!」
ふふふ、なまえらしい。
それにしてもなんの抵抗もなく、俺の足の間に座ってるのは気にしないんだね。
いや、まぁ…嬉しいけど。
それになんかこうやって二人で他愛ない話をして、ゆっくり出来るのも久し振りだしね。
ん、あー…やっぱり、まだ時期じゃないのはわかるけど、独り占めしたくなるなぁ。
そんな事を考えつつ、なまえとブランコに乗ったまま他愛ない話をして過ごした。
※引き続き遊園地の話
(精市はジェットコースター大丈夫なの?)
(うん、全然平気)
(苦手なものないのかよ!)
(ふふふ、そんな事ないよ?)
(絶対嘘だ!)
(まぁ、パッとは思い付かないけど)
(それないと同じじゃねぇか)
(あ、メリーゴーランドとかは苦手かな)
(ワロタ)
(あれ、つまらなくない?)
(理由が酷過ぎて笑えなかった)
(スピードが5倍くらいあれば、楽しそう)
(なにその恐ろしい乗り物)
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