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城に無事に着いて、今は軍神がいる部屋の前で待機中。
暫くして、軍神の声がしてゆっくりと襖を開ければ、かすがと軍神の姿が目に入る。
「よくきましたね。ふみとわたくしにはなしがあるとききましたが」
相変わらず、綺麗な顔ですこと。
初めて見る軍神に、真歩ちゃんも吃驚してる様で、目をぱちくりさせてる。
「え、はい…あたし真歩って言います」
「はじめてみるかおですね。なんともかわいらしい。わたくしは、うえすぎけんしん」
なんか俺様が疲れてきた。
軍神のしゃべり方苦手なんだよね。そんで真歩ちゃんは、また吃驚した顔してるし。
今度は何に吃驚してるんだろ。
「え?男の人…ですか?綺麗…あ、すいませんっ!」
いや、どんだけ素になってんのよ。
いや、まぁ…真歩ちゃんの気持ちもわかるけどねぇ。ていうか、かすがも何誇らしげな顔してんの。
ていうか、本題本題。
相変わらず、軍神を凝視している真歩ちゃんを無視して、ゆっくりと軍神へ文を差し出す。
「とりあえずは、これを読んでからかな」
「なるほど。わかりました」
「かすがが言ってた以上に、綺麗な人でびっくりしちゃった」
「…あぁ」
ちょっと、真歩ちゃんは静かにしてなさい。小さく話しても、目の前だから聞こえてるからね。
だけど軍神は、そんな事も気にせずに文に目を通していく。
さーて、どう出るか。
「なるほど、わかりました。それと真歩とあなたがここへきたのはなにか、りゆうがあるのですか?」
さすが軍神、話が早い。
「真歩ちゃんが自分で話す?」
「うん。だけど、言葉が変だったり説明おかしかったら途中で助けてね」
「了解」
そして真歩ちゃんが自分の事を黙々と話していく。
軍神も相槌を打ちながら時折、眉間にシワを寄せたりとしていたが最後まで聞いていた。
ちなみに印の説明は、俺様が詳しく話した。
真歩ちゃんらは、よくわかってないみたいだったから。
「えっと…その印がこれ、です」
着物をずらして右肩を見せると、すぐに軍神の方へ向きなおす。
「なんとひどい…。真歩のためになるのなら、わたくしたちもちからをかしましょう」
「あたしの為ですか?」
「えぇ、わたくしは真歩をきにいったのですよ。かすががきをゆるすくらいですからね。おだのきょういよりも真歩のためですよ」
あらまぁ〜こんなに早く話が付くとは思わなかった。
そして、優しい笑みで真歩ちゃんの頭を撫でている軍神。
いや、なんか色々とおかしいよね。
「え、あ…ありがとうございます。謙信様が優しい方で良かったです」
「ふふふ…それはわたくしのせりふです」
まぁ、とりあえず軍神は大将の案に乗ってくれた。
正確に言えば、真歩ちゃんの為らしいけど。
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