君の視線の先に | ナノ

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最近、やっと真歩ちゃんの怪我が落ち着いて来た。

印の方も余り進行していない。
まぁ、最近の真歩は自由奔放に生活してるからね。

旦那と団子食べたり、旦那が居なければ忍隊の誰かと普通に話してるし。

だけど、怪我が落ち着いてきたからって庭先で、鎌之助に戦い方を教えてとお願いしたりと…結構、お転婆な事をしている。
そして今日は、小介も加わって三人でなにやら騒いでいて…海野がそれを見ている。



「はいはい、お転婆も大概にしなさい。全く…怪我が治ったか…ぶふぅっ!」

「あ、ごめん」


鎌之助と小介とじゃれてたのを止めに入ったら普通に殴られた。


「普通に痛いからね?お前等もなにしてんの?」

「見て分かるだろ?」

「長も混ざりますー?」


本当にこいつら馬鹿だな。

ていうか、どんだけお前等は真歩ちゃんにベタベタなんだよ。

仕事をしろ仕事を!


「ちなみに仕事なら終わってるよ〜。才蔵は、まだだから居ないけどね〜」


そして海野、お前は心を勝手に読むな。


「で、佐助は何か用?」

「何か用?じゃないでしょーが。またそんな暴れて!怪我が落ち着いてきたからって駄目でしょ」


まぁ、元気なのはいいんだけどさ。

普通に大人しくしてて欲しい。ていうか、お前等も少しは自重しろよ。


「もうすっかり怪我は治ったよ?。だから、明日にでも交渉しに行こうよ」


急に何を言い出すの!

そして何事もなかったかの様に、また組手を始めるんじゃありません!

どんだけ元気なのよ。


「本当に明日から行くの?」

「行けるなら、行きたいな。えいっ…うわっ!」


鎌之助と小介と組手というなの、じゃれあいをしながら答える真歩ちゃん。


「じゃあ大将と旦那に言ってくるよ。だから、行く前に怪我しないでよ〜?」

「うん。わかった!」

「あ、ちょ、痛い痛い!鳩尾なしって言ったじゃん!!」

「ごめん、悪気はなかったんだけど…つい」

「おりゃっ!」

「うわぁっ…ちょっと、鎌之助も卑怯じゃん!」

「おし、つっかまえたー!」

「やだやだー!ちょっと、離してよー!!」



え、なんなのこの子達…。

本当に大丈夫なの?

そしてキャッキャッと楽しそうに騒ぐ三人に、頭を痛くしながら俺様はその場を後にした。


忍とあそこまでじゃれて遊ぶのも、真歩ちゃんくらいしかいないよなぁ。

本当に変な子。


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