君の視線の先に | ナノ

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大将と旦那を連れて大広間へ向かう。

もちろん、二人の殴り愛で散々な事になってるけど、気にしたら負けだから。


「とりあえず、真歩の状態はわかった。詳しく話を聞こう」


大将には、文でしか報告出来なかったから詳しく話をする。

真歩ちゃんに会った時の事から、印の事を全て大将に話した。


「お館様…某は、どうすれば…」
「儂は、真歩に必ず呪囚を解いてやると約束した。どうするもないであろう」


まぁ、さっき真歩ちゃんに大将…堂々と言ってたしね。

真歩ちゃんも一応、了承してたし。


「うむ、織田を倒すべく策がある。各地の武将へ文を出すのだ!織田包囲網を作るのだ!」

「お館様、織田包囲網とは…?」


大将の策は、実現すればかなりの確率で織田を討てる。

だけど実現させるには、まずその包囲網を完成させなければならない。

独眼竜、軍神、北条、長曾我部、毛利、風来坊と豊臣かな。

有力な武将は、このくらい。

前田や浅井、徳川も加えたいが、一応織田軍の配下である為に望みは薄い。

まぁ、どこの武将も簡単には協力してくれるとは思わないけどね。特に豊臣とか、もはや望み薄いって感じじゃないけど。


「まぁ、なにもしないよりかはいいんじゃないっすかね。どっちにしろ織田を放っておいたら、天下を取られるのも時間の問題だし」


各地の武将もその言葉をちらつかせれば、もしかしたら協力するかもしれないし。


「さすがお館様で御座る!」

「うぬ。ならばすぐにでも文を出すのだ。この事は、真歩に話しとくべきであろう。各地の武将には、真歩を会わせる事になるからの」


一応、一時的な同盟って事になるから、真歩ちゃんも顔を会わせるのは、当たり前だしね。


「はい、了解っす。俺から伝えておきます」

「真歩の考えも聞きたいからのぉ。文は、その後に書くことにしよう」


考えもなにも…真歩ちゃんは、なにも考えてなさそうだけどなぁ。

あぁ…でも一応、自分の事だし俺達が関わってるから嫌でも考えるか。

でもなんかよくないこと考えそうだけど…。


「佐助よ、真歩の存在は各地に知られているのか?」

「いや、知られてないと思いますよ。城から出したのは、出て行くって言った時だけなんで」


そして、大将の問いに答えているとスッと才蔵が降りてくる。


「佐助…ちょっと来てくれ」


才蔵が険しい顔でそう言うので、大将と旦那に断りを入れてから急いで真歩ちゃんの部屋に向かった。



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