君の視線の先に | ナノ

 19 (3/3)


暫くして、手合わせを終わらせたのか二人が縁側に座る。

真歩ちゃんは俺様の隣で、かすがは当たり前の様に軍神の隣。


「ふぅ〜疲れたぁ」


ぐーっと伸びをすると、そのままゴロンと寝転がる真歩ちゃん。

・・・此処が上田じゃないって事を忘れてるんじゃないのかな、この子。


「かすが、どうでした?」

「は、はいっ…!体術のみですが、なかなか腕がたちます」

「ほう…そうですか。さなだのしのびがおしえたのですか?」

「いーや、我流じゃない?最近は、忍隊の奴等ともよく手合わせみたいな事してたし」


まぁ、ほとんど我流だよね。俺様は、特に教えてないし。

元から身体能力は高いみたいだから、真歩ちゃんの動き易い感じで型にはまってない動きなんだよね。

動体視力もいいみたいだし。やっぱり、印が関係してるのかなぁ。普通にしてば、ただの女の子なのに。


「やっぱり鎌之助とかと違って、かすがは動きが柔らかくて強いなぁ」


まぁ、かすがはうねうねと避けるからね。

確かに体柔らかいし。


「真歩も負けてないぞ。予測不可能な攻撃をしてきて毎度吃驚する」


確かに、真歩ちゃんは攻撃方法とかむちゃくちゃだからね、色々と。

だからこそ、先が読めなくて吃驚するんだけど。



「真歩ちゃんは、避けるのは得意だしねー」

「やっぱり、攻撃は食らわない方がいいでしょ?動けなくなったら、何も出来なくなっちゃうから」



まぁ、その通りなんだけどさ。やっぱり、女の子にしては荒事に慣れてる感じするんだよねぇ。

記憶はないけど、体が覚えてる的な。

まぁ、でも…全く動けないよりかはいいのかな。



「ふふふ…たのもしいですね」

「いや、全然。佐助やかすがに比べたら、まだまだ子供みたいなもんです」



子供ねぇ?俺様から見ると、下手な兵より動けてる気がするけどねぇ。

まぁ、でもそんな強くなってほしくないから…今のままでいて欲しいけどね。



「せんりょくには、いれないといっていたのではないのですか?」

「ほら…真歩ちゃんって言うこと聞かないからさ」

「ふふふ…それもそうですね」

「それと、自分に出来る事をやりたいんだってさ。俺様としては、いい子に大人しくしてて欲しいんだけどねー」

「むぅ…佐助は、そればっかり!鍛えるくらいいいじゃん、ケチ!」



いやいや、そう思ってるのは俺様だけじゃないからね!?

一番しつこく駄目って言ってたのは、旦那なのに!



「真歩は、戦わなくていい。私が代わりに戦ってやるからな」

「駄目だよ!かすがは、謙信様のだし。自分の身は、自分で守るよ」

「やはり、真歩はやさしいこですね」



いや…優しいって言うか、負けず嫌い?もしくは、人を頼るのが苦手な感じだよね。

真歩ちゃんから、頼ってくれた事とかほとんどないしね。

もう少し、頼って欲しいんだけどねぇ…俺様としては。



prev / next