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そして、文の返事を書いている軍神。
まぁ、俺達はこのまま奥州に行くから、上田に届けてもらうんだけどね。
「よかったな、真歩」
「うん。かすがもありがとう」
まぁまぁ、随分と嬉しそうな顔にしちゃって。
俺様は、また除け者ですね。
「ふふふ…さなだのしのび、やきもちですか?」
「ちょっとやめてよ〜…。そんなんじゃないから」
「ずいぶんと真歩をたいせつにしているのですね。なにか真歩に、かくしているのではないですか?」
お、さすが抜け目ないねぇ。
かすがと楽しそうに話している真歩ちゃんに目線を向ける。
隠してるっていうか、言ったら真歩ちゃんを精神的追い詰める事になるから、言えないだけなんだよね。
「んー好き隠してるわけじゃないんだけどね。その内、話すよ。一応、同盟組んだ訳だしね」
「なるほど…真歩のためですか。ならばきょうは、ここへとまるといいでしょう。かすがもよろこびます」
チラッと軍神がかすがの方を向いて、俺様もつられるようにそちらを向く。
「それは、有り難いねー。昨日の夜に出て来たから寝てないし、きっと真歩ちゃんも喜ぶよ」
「さなだのしのび、かわりましたね」
優しく笑い掛ける軍神に目を見開く。
俺様のどこが変わったって言うんだ?
「ひょうじょうがまるでちがいます。真歩をみるあなたのめは、すごくやさしい」
「そうかねぇ?護衛頼まれてるからじゃない?」
護衛するのが今回の俺様の仕事だからね。
見守る的な意味じゃ、そう見えるだけかもしれない。
「ふふふ…あなたもすなおじゃないですね。真歩をだいじにしてくださいね」
なんだか、大将みたいな物言いだな。
さすが好敵手ってとこか?
なんだか、俺様がなにかに気付いてないのを面白がってると言うか。
「まぁ、大事にはしてるつもりだよ。旦那に怒られるしね」
「かいのわこですか?」
「旦那が真歩ちゃんを好いてるんだよねー。真歩ちゃんは、気付いてないみたいだけど」
多分、旦那だけじゃない。
忍隊の奴等も少なからず真歩ちゃんに好意がある。
まぁ…あいつ等の場合は、全面的に変態度が強すぎて本心はよくわからないけど。
「ふふふ…それはたいへんですね。真歩は、じぶんのみりょくにきづいていませんからね」
うん、かもね。
だから余計面白くない。
いや、だからなんで俺様がそんな気分悪くなるわけ?
「まだまだあおいですね、あなたも」
そして軍神に大将と全く同じ言葉を言われて、目を見開くがやっぱり俺様には意味がわからなかった。
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