君の視線の先に | ナノ

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かすがに案内をされている最中、何故か意気投合したかすがと真歩ちゃん。


「真歩は、変わってるな。私は、嫌いじゃないが」

「え?そうかな。なんか、みんなにそう言われるんだよね。あたしは、普通にしてるんだけどなぁ」


いや、真歩ちゃんは確かに変わってるよね…。

なんていうか、不思議な子。

ていうか、俺様そっちのけで話すんのやめてくんない?


「かすがは、なんか可愛いよね!」

「なっ、なにを言い出すんだ」

「だって素直だし、すぐ顔赤くするし。可愛いよ」

「私は、真歩の方が可愛いと思うぞ」



確かに、かすがは見た目は綺麗なのに、からかうと可愛いよなぁ。

だから、真歩ちゃんが言ってる事はあながち間違ってない。


「嬉しいけど、それはないと思うな」

「真歩は、可愛いぞ。純粋無垢で放っておけん」


純粋無垢かぁ。
まぁ、当たってるかな。

殺しをした事もないから、血の臭いもしないし。だから鎌之助がいい匂いって言うんだろうな。

でも純粋は、少し違う気もするけど。


「だけど、真歩ちゃんってば…最近お転婆過ぎて俺様困っちゃう」

「そんな事ないもん」

「いやいや、普通の女の子は戦い方を教えてとか言わないからね?」

「そ、それはいいの!」

「全然よくないからね?」



まぁ、真歩ちゃんなりに俺様達の役に立ちたいのはわかるんだけどね。

だけど、やっぱり戦うのやめて欲しいなーなんて思ったり。

確かに、普通の女の子にしてはかなり動けるけど…やっぱり心配だし。

怪我とかして欲しくないからね。



「可愛い女の子は、戦い方なんて知らなくていいの!」

「なら、可愛くないから大丈夫だ!」

「全然、大丈夫じゃないけどね?」



そもそも、そういう意味じゃないからね。ていうか、普通に可愛いと思うけどねぇ。

旦那が惚れるくらいだし?


「でも、性格がねぇ。もう少し素直ならいいんだけど」

「うっ…素直じゃないとか佐助には、言われたくないよーだ」

「佐助は、好きな奴を苛めるのが好きな変態だからな。気にするな」


ちょ、かすがまで何を言い出すの!?確かに、好きな子をいじめるっていうか、からかうのは好きだけど、今は関係なくない!?


「うん、かすが頑張れ…」


え、なにそれ!?

しかもどんだけ勘違いしてるの?いや、確かにかすがをからかうのは好きだけどさ。


「いや…私じゃなくてだな…。佐助、お前も大変だな」


いや、なにがだよ。

今が既に大変ですけど。

ていうか、かすがもなんか勘違いしてない?


「ん〜…なんか眠くなってきた」

「大丈夫か?もう少しで着くから頑張ってくれ」

「うん、頑張る」


いや、本当に真歩ちゃん自由過ぎるでしょ。まぁ…ずっと走りっぱなしだったから、疲れてて当たり前だけどさ。

そして、こんな調子で俺達は軍神の元へ向かった。


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