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そして予想以上の真歩ちゃんの脚力で、無事に越後に入って暫く経った。
相変わらず真歩ちゃんは、頑張って俺様の後ろを付いて来ている。
だけど、かなり口数が減った辺り、結構疲れてはいるみたいだけど。
でも体力付けようかなって言う割には、普通に体力あると思うけど。
やっぱり印の力もあるのかねぇ。
そんな事を思ってると、よく知ってる気配に足を止める。
そろそろ来ると思った。
「はぁはぁっ…ど、どうしたの?」
急に止まった俺様の後ろで、はぁはぁと息を上げている真歩ちゃんに答える暇もなく、すぐに抱き上げて木に飛び移る。
そして俺様が居たところに、無数のクナイがザクザクと刺さった。
「…なんの用だ。猿飛佐助!」
「そんないきり立つなよ。文を届けに軍神に会いに来ただけだって」
「えっ、誰?あの綺麗な女の人」
クナイで攻撃されてるのに、呑気か!
相変わらず、肩を息をしながら呑気な真歩ちゃんに、溜め息をつく。
「なんだその娘は…」
「えっ、あたしは真歩です。あなたのお名前は?」
「…か、かすがだ」
ちょ、本当に自由だな!
今の状況わかってんの?かすがだから、大丈夫だけど…他の奴等なら戦闘になっててもおかしくないからね?
それに何故か、かすがも普通に名乗っちゃってるし。
「とりあえず、偵察に来た訳じゃないんだって。だから通してよ、かすが〜」
ゆっくりと木の上に真歩ちゃんを下ろし、文をちらつかせればチッと舌打ちをしてクナイをおろした。
「それで、その娘はなんなんだ?」
「詳しくは、軍神のところに着いたら話すよ」
「もしかして、佐助とかすがさんって仲良いの?」
「なっ、ありえん!!」
いや、そんな全力で否定しなくてもいいんじゃない?
俺様泣いちゃう…。
「つまり、佐助の片思い?…頑張れっ!!」
いや、どんな勘違い!?
確かに、かすがは大切なやつだけど…別に好きとかじゃないし。敵となれば、普通に戦うし。
「佐助、この娘…」
「気にしないでいつもこうだから」
「そうか…。真歩と言ったか?見た感じくのいちでは、ないな」
「はい。ただの一般人です」
嘘おっしゃい!
一般人は、あんなに速く走らないし、体力もこんなにありません!
「まぁいい…。付いてこい」
あ、かすがが折れた。
"はーい!"と何故か、嬉しそうに木から飛び降りる真歩ちゃん。
いや、ちょ、危ないから!!
「っ!いたっ…足に響いたっ…」
で、着地したのはいいが体重を掛けすぎて足が痺れたらしい…。
ていうか、普通に吃驚りするから飛び降りるのはやめてよ。
そして、そんな真歩ちゃんをかすがも吃驚しながら見ていた。
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