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そして、結構な距離を走った俺様と真歩ちゃんは、木陰で休憩中。
「ふぅっ…疲れた。どの辺まで来たの?」
本当なら馬で行くはずだったからなぁ。
まぁ、普通に真歩ちゃん達が騒いでて、忘れたのは俺様の失敗だけど。
「んー、とりあえず越後にはもう近いよ」
うーん、どっかで馬を手に入れるべきかなぁ。
いつまでも真歩ちゃんが、走っていられるとは思えないし。しかもまずは、越後じゃなくて奥州だからね。
「ねぇねぇ、文って何枚あるの?」
「え、一応十枚くらいあるけど」
まぁ、宛名が書いてあるのは、6枚だけだけど。
後の4枚は、協力してくれそうな軍に渡すようにって言われたやつ。
「そんな持ってたんだ。じゃあさ、ルート変えない?越後、奥州にして最後に北条だっけ?そこ行こう」
まず、るーとってなに?
と聞けば行く順番みたいなもんって言われた。
てか、いきなり行き先変えちゃうの?
「まぁ…俺様は、別にいいけど。越後なら此処から近いし」
それに、もしかしたら馬も手に入るし。
あぁ…でもあいつが居るんだよなぁ。絶対に怒るよ…あいつ。
「よし、じゃあすぐに行こ!日暮れまでに着くように頑張るから!」
うーん、日暮れまでねぇ…。
だいぶ無理あるんじゃない?
俺様一人なら余裕だけど。
「日暮れには、無理だと思うよ。真歩ちゃん、足速い訳でもないし。まぁ、別に遅くもないけどさ」
「そ、その内速くなるから!頑張れば大丈夫だよ!」
俺様の後ろを走る真歩ちゃんは、確かにあんだけしか走ってなのに速度は上がった気はする。
「体力が持たないっしょ?」
「大丈夫だよ!死ぬ気で走るから任せて!」
そんなの任せられるか!
どんだけ、日暮れまでに着きたいんだよ。別にゆっくり行けばいいのに…。
「じゃあ、走れなくなったら言って。俺様が運ぶから」
「荷物みたいに言わないでよ!しかも、なんで佐助はそんなに余裕なの?」
「忍だから?」
「理由になってる様でなってないからね、それ」
そして、ブツブツと後ろで文句を言っている真歩ちゃん。
全く…走って行くとか、さすがの旦那でも言わないってーの。
「とりあえず、甲斐を抜けると何があるかわからないから、ちゃんと付いて来てね」
「うん!」
「じゃあ行くよ」
いや、まぁ…さすがに警戒は俺様がしてるから大丈夫だとは思うけど、真歩ちゃんはもう少し危機感を持つべき。
いや、でも…今まで城の外に出た事がなかったか仕方ないのかな。
そんな事を考えながら、そのまま越後へ向かった。
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