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大広間に着くとそこでは、既に大将と旦那が殴り愛をしていて、そこらじゅうが壊れていた。
「ちょっと大将〜来た早々物壊すのやめて下さいよ〜…」
修理すんの俺様なんだから。
「おぉ!佐助か、久しいのぉ!元気そうでなによりじゃ!!」
それは、俺様の台詞だってーの!!どんだけ元気なんすか!
「それで、今ならちょうど真歩ちゃん起きてますけど、会います?」
「うぬ、そうじゃな!案内せい!!」
「真歩は、大変優しく可憐な女子で御座る故、お館様もきっと気に入りまする!!」
いや、うん…優しくて可憐だけど、たまに素で毒吐くからね、あの子。
まぁ、でも顔も性格も良いのは認める。あ、あと体型もね。
「幸村をそこまで夢中にする娘も珍しいからのぉ。楽しみじゃ!」
「む、夢中などっ…!」
「はいはい、旦那も行くよ」
顔を真っ赤にしてる旦那を引っ張りながら、真歩ちゃんのいる部屋まで大将を案内する。
真歩ちゃんの部屋に近付くと中から、真歩ちゃん叫び声が聞こえてくる。
「むぅ…才蔵〜鎌之助〜。降りてきてよ〜。暇だから、またお話ししよーよ」
「お館様が来てるから駄目だって言ってんだろぉが!」
「結局、喋ってるんだから一緒じゃん!才蔵もお願い」
「いくら真歩の頼みでも今は、降りられん…」
いや、お前等…姿隠してる意味ねぇじゃん。
そんなギャーギャーと騒いでる真歩ちゃんの部屋に、大将がゆっくりと近付きスパーンと襖を開けた。
ちょ、大将いきなり過ぎっしょ!
「う、うわぁっ!え…どちら様ですか?ちょ、え?なになに?」
一体何が起こったのか、わからない真歩ちゃんをよそに、ズカズカと部屋に入っていく大将。
そして、真歩ちゃんの前で止まり、ガシッと真歩ちゃんの頭を鷲掴みにしたかと思えば、わしゃわしゃと豪快に頭を撫でた。
「ワッハハハ!これは見事な娘じゃ!暇だと言って、忍を困らせる娘など始めてみたぞ!!」
ちょ、大将そこ!?
真歩ちゃんは、豪快に頭を撫でられているせいで、グワングワンと体が揺れている。
「ちょ、大将!真歩ちゃんが目回してるから、やめてあげて!」
「おぉ、すまぬすまぬ。余りにも儂の想像を越えていたのでな」
それは、いい意味で?
ゆっくりと旦那と部屋に入れば、くらくらと目を回してる真歩ちゃんの近くに大将が座りその側に旦那と一緒に腰をおろした。
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