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そして俺様に叩かれた頭を擦りながら、ブツブツ文句を言う鎌之助を無視して、真歩ちゃんを起こしてやる。
「ったく…お前等少しは落ち着けよ。大将もそろそろ着くんだし」
「元はといえば、佐助がいけないじゃないの?そんな話するから…」
ちょ、真面目に傷付いた。
酷いっ…だけど言い返せない。
「ごめんね〜真歩ちゃん。俺が悪かったからそんな怒らないで?」
ね?っと真歩ちゃんの頭を撫でる海野に真歩ちゃんは、仕方なさそうに"わかった"と言った。
ちょ、俺様は!?
「あーあ…真歩の胸がぁー!くっそー才蔵ずりぃーぞ!」
「・・・うるさい」
「ずりぃー!!」
とりあえず、才蔵には後で詳しく感想を聞くとして…どんだけお前等は、真歩ちゃんの胸に執着してんだよ。
いや、まぁ…俺様もだけどさ。
「むぅっ…、なに?そんなに見たいの?」
まさかの真歩ちゃんの言葉にコクコクと頷く悲しい男が三人。
もちろん才蔵を抜かした三人ね。
ゴソゴソと着流しを脱ぐ素振りを見せる真歩ちゃんに、俺様を含む三人は釘付けになる。
もうただの変態じゃねーか。
「ちょ、ちょっとだけだよ…?」
あ、その顔反則っしょ。
そしてハラリと着流しが落ちて…目の前には、真歩ちゃんの胸…じゃなくて包帯が現れた。
「本当に見せる訳ないでしょ!違う女の子でも捕まえるんだね」
うん、そうだよね。
真歩ちゃんは、怪我をしているせいでサラシのように包帯を巻いていて、胸が見える訳がないのを忘れていた自分に腹が立つ。
まぁ…俺様は、手当てした時に見たからいいけど。
「いやぁ、包帯の上からでもでかいのがわかるのって厭らしいな」
そして、ムスッとした表情で着流しを着直している真歩ちゃんが、バッと真っ赤な顔をして海野を見る。
「逆に想像を掻き乱されるよなぁ。ぬわぁ!揉みてぇ!!」
「ちょ、さすがの俺様もそれは引くから。もう少し羞恥心を持ってくれる?」
そんな俺達を無視して真歩ちゃんは、着流しを着ると才蔵を手招きして呼んだ。
「才蔵…忍隊ってみんなあの三人みたいな変態ばっかなの?」
「…いや、俺からはなんとも」
おい、そこは否定しろよ!
てか、お前も変態だからな!
ムッツリスケベめ!
そして、暫くして部屋に小介が来て大将が来たことを知らせた。
すぐに才蔵達には、監視に戻る様に言って(監視の意味ない)小介と大将の元へ向かった。
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