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真歩ちゃんがこの事を知ればまた殺されようとするかもしれない。
だけど、それだけは避けたい。
なんでかわからないけど、いつの間にか俺様まで旦那と同じように真歩ちゃんを救いたいと思うようになっていた。
まぁ、きっと旦那がそう思ってるから、俺様もそう思うようになっただけだと思うけど。
「それで信長公は、真歩を探しているのか?」
「いえ、術者に任せているらしく。余り干渉してないようです」
ふーん、それはありがたいね。
それなら当分はバレなくて済むかもしれない。
「とりあえず、覚醒の印の事は真歩ちゃんに話すけど…他は、まだ黙っておくよ」
「あぁ、真実を知れば…また真歩を傷付けるかも知れぬ。そしたらまた呪囚が広がるんだろ?それだけは、避けねばならぬ」
精神的な負荷を掛ける訳にはいかないからね。なるべく、余計な事を考えさせないにしてあげなきゃならない。
「とりあえず、早急に織田を討つ手を考えねばならぬ…。お館様に相談せねば」
「そう言えば、大将そろそろ来るんじゃない?小介に護衛は、頼んであるけど」
今日中に来るって言ってたからね。
大将も旦那と一緒で凄い勢いで、こっちに向かってそうだし。
「で、俺はまた安土行けばいいの?」
「いや、とりあえず今回はいい。才蔵と鎌之助に大まかに説明して来い」
「了解。そしたら休んでいい?」
「はいはい、ご苦労さん」
まぁ、長いこと安土に偵察に行ってたから疲れただろうしね。
とりあえず織田が動いてないなら今は、大丈夫だろう。
俺様の言葉を聞くと、海野はスッと姿を消した。
「とりあえず、大将の考えを聞かなきゃね。これ以上は動けないし」
「うぬ…お館様は、どうなさるのだろうか」
「んー大将も結構無茶言う人だからねぇ。なんとも言えないかな」
本当に旦那も大将も無茶ばっかりするからねぇ。
まぁ、大将はちゃんと色々考えた上だからいいけど
旦那は、なんにも考えてないからね。全く困った人だよね。
「とりあえず、大将が来てから真歩ちゃんのところに案内すればいいよね」
「あぁ、真歩が怪我をしている事は文に書いたからな」
そういうところだけは、しっかりしてるのね。
そんな事を思いつつ旦那と俺は、真歩ちゃんについて引き続き話し合った。
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