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夜になっても鎌之助が帰ってこないのを不思議に思い、旦那に断りを入れてから屋敷を出た。
黒丸に手伝ってもらいすぐに鎌之助を見付けた。
少し行った森の中で木ノ上で退屈そうに下を眺めている様だった。
「鎌之助どうした」
「んあ?佐助か。女ならずっと此処でうずくまったまま動かないぜ?」
ほらっと鎌之助が顎で指す方へ目線を下ろすと真歩ちゃんが膝を抱えて座り込んでいた。
「ずっと…ってどんくらい?」
「あー…此処に来てからずっとだから半日くらいじゃね。よく飽きねぇよな」
半日って…本当になに考えてんだろう。
ていうか、行く宛がないにしろこんな場所に居たら危ないって事に気付かないのかな。
「じゃあ後は、俺様が見るから鎌之助は戻っていいよ」
「おーわかった」
すぐに鎌之助がシュッと姿を消した。
相変わらず真歩ちゃんは、膝を抱えたまま座り込んでいる。
寝てる訳じゃ無さそうだけど。てか、なんの為に出て行ったのかもわからないし。本当になに考えてんだろーね。
そして、暫くすると遠くから足音が聞こえてくる。
歩き方からして賊かなにかだ。あからさまに真歩ちゃんに近付いてるが、俺様は見てるだけ。
「お、女がいるぜ?」
「おい、顔上げろよ」
そして真歩ちゃんを見付けた賊は、乱暴に髪を引っ張ると、無理矢理真歩ちゃんの顔を上げさせた。
その瞬間、真歩ちゃんが一瞬目を見開くがすぐに無表情になった。
「おぉ、上玉じゃねぇか!」
「久しぶりに楽しませてもらおうぜ!」
「お前、腕持っとけ」
なにも言わずにされるがまま押し倒される真歩ちゃん。
目を固く瞑っている。
「お?抵抗しねぇのか」
「騒がれるよりいいじゃねぇか」
「まぁな、それにしても…変わった着物着てるな」
そして、慣れない不思議な着物に苦戦しながらもちゃくちゃくと着物を脱がしていく男達に真歩ちゃんは、何も言わない。
下唇を噛みよく見れば押さえ付けられている腕は、強く拳を握っていて包帯にうっすらと血が滲んでいた。
アレで我慢してるって言うのか。
うっすらと固く瞑っている瞳にキラリと光るものが見えた気がした。泣くのさえ我慢しているのか。
"ありがとう"
ふと真歩ちゃんの笑顔を思い出す。
そしてそんなよくわからない気持ちに困惑している内に、真歩ちゃんの着物はどんどん脱がされいく。
・・・・ッ。
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