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どうやら竜の旦那に凄い勢いで突撃したのは、竜の旦那の従兄弟の伊達成実だったらしい。
「あ、話の最中にごめんねー?」
「あっ、あたしは大丈夫です。それで、話は続けて大丈夫ですか?」
「あぁ…わりぃな。構わず続けてくれ」
"了解です"と言って、今度こそ真歩ちゃんが自分の話をし始める。
とりあえず、印についての話以外は、ちゃんと自分で説明が出来ていた。
そして軍神の時のように少しだけ、忍装束をずらして右肩を見せた。
「Hum…真歩って言ったな。ちょっとこっちに来い」
竜の旦那が話を聞き終わると、ちょいちょいと真歩ちゃんに手招きをする。
「政宗様!」
「うるせーな…俺が良いって言ってんだよ。真歩、来い」
不思議そうに頭を傾げながら、真歩ちゃんが躊躇なく竜の旦那の元に行く。
え、なんか嫌な予感するんだけど。
「…ひやっ!」
どんな声出してんの…。
真歩ちゃんは、竜の旦那に近付いた瞬間に腕を引かれ、そのまま後ろから抱き付かれていた。
「いいねぇ〜行動力がある女は好きだぜ」
「え?あ、耳元で話さないで下さい!くすぐったいっ…です」
真歩ちゃんの肩に顔を乗せて俺様をジッと見ている竜の旦那。
そしてニヤッと笑うと真歩ちゃんの首筋に唇を落とした。
「っ…!」
「竜の旦那、なにしてんの?」
すぐに竜の旦那から真歩ちゃんを奪い返すと、クツクツと笑っている竜の旦那。
「梵ったら…節操無さ過ぎー」
「政宗様、おふざけが過ぎますぞ」
いや、今のは俺様への宣戦布告でしょ。
あからさまに俺様に見せつけるようにやってたし。
「話を聞けば聞くほど、真歩の事が知りたくなるぜ。いいぜ、同盟組んでやる」
「えっ…わーい!ありがとうございます!よかったね、佐助」
「うん、そうだね」
いや、あんまりよくないかな。ぁ、俺様的にだけど。
好きまではいかないかも知れないけど、真歩ちゃんに竜の旦那が興味を持ったのは確かだ。
「筆頭っ!大変でさぁ!!」
「あぁ?どうした」
「一揆が起きました!」
「あぁん?場所は?」
どうやら、今の状況に耐えきれなくなった村人達が、一揆を起こしたらしい。
その話を聞くと、竜の旦那が舌打ちをしてすぐに立ち上がった。
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