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甘味屋を後した俺達は、青葉城を目指した。
そして、暫く歩くと城門が見えてくる。
「やっと着いたね。遠いなぁ…奥州」
いや、だいぶ早く着いたけどね。予定なら今日の夜か明日だったし。
いや、どんだけ真歩ちゃん足速くなったの。
そして門番に事情を話すと、あっさりと中に入れてくれた。そんな簡単に入れていいのかねぇ?まぁ、俺様の顔知ってるからかもしれないけどさ。
城に入るとすぐに右目に会うはめになった。まぁ、当たり前だけど。
「右目の旦那、久しぶりー」
「客人ってのは、おめぇらか」
「大将から文預かってきたんだよね。後、ちょっと話があってさ」
理由を話せば付いて来いと、相変わらず怖い顔で言う右目。
「あの人、凄い強面だぁ」
いや、普通に声でかいからね。右目に聞こえてるから。
ていうか、普通に失礼だからね。
「猿飛、そのくのくちは…」
「あぁ…忍装束着てるけど、くのいちじゃないから安心してよ。それに、ちゃんと説明するから。」
「あ、あたしはっ」
「今は、静かにしてようね〜?」
今にも名乗り出しそうな真歩ちゃんに、黒い笑みを浮かべてそう言えば素直にコクコクと頷く。
此処で話したらややこしくなるし、竜の旦那にも話すんだから二度手間になるからね。
「政宗様、武田の遣いのものをお連れしました」
「OK.入れ」
竜の旦那の言葉に真歩ちゃんが"外人?"とか言い出すから南蛮語が好きなだけだと教えた。
そしてゆっくりと右目が襖を開けて中へ通される。
ドーンって感じで相変わらず偉そうな竜の旦那。
本当に変わらないねぇ。
「Hum、猿とくのいちか。わざわざ顔を出すなんて珍しいな」
「文を届けに来たついでに、ちょっと話があってさ〜。とりあえず、これ大将から」
右目に文を渡すとすぐに竜の旦那に渡す。
そしてその場で、すぐに文に目を通す竜の旦那。
ちなみに真歩ちゃんは、さっきの俺様の言葉を守って静かに俺様の隣で座っている。
「HA!で?話はなんだ?この文の内容に関係あんのか?」
「そうなるかな」
「Hum…まず、そのくのくちはなんなんだ?」
「この子が関係あるんだよね。それと、くのいちじゃないから」
そう言いながら、真歩ちゃんに目線を移せば全然違う方向を見ていた。
ちょ、どんだけ自由なんですか。
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