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月基地に着いて、名前を伝えたけど…ナンバーを聞かれて答えられず、とりあえず拘束をするという事で中に入れてもらえた。

そしてあたしは、最初こそ拘束をされていたがすぐに確認が取れたみたいでアズラエルさんの名前を口にした男の人に解放された。

しかも凄い謝られた。

どうやら、アズラエルさんはあたしが思ってるより凄い人だったみたいだ。


そしてアズラエルさん達が明日には宇宙へ上がって来るらしく、一足先にアズラエルさん達が乗る予定の戦艦へと案内された。

そしてブリッジには、凛とした声で指示を飛ばしている黒髪が印象的な綺麗な女の人がいた。



「バジルール少佐、ちょっといいかな」

「はい。どうかなさいましたか?」

「うむ。このドミニオンに一足先に乗艦する事になったエルナ・アガレス少尉だ。よろしく頼むよ。詳しくはこれを読んでくれ」

「はっ」

「じゃあなにかあればバジルール少佐に聞くといい。では、頼んだよ」

「はい、わかりました」



なんだかわからないけど、なんか凄い偉い人っぽい人に軽く紹介されて頭を下げる。

しかもそのままその人はどっかに行っちゃったので、えと…ナタル少佐?だったかな…と向かい合ったままである。

あたしより身長が高いし、凛とした雰囲気に少し緊張しつつ改めて頭を下げる。



「…エルナ・アガレスです。あのよろしくお願いします…ナタル少佐」

「あぁ、こちらこそよろしく。それとナタルで構わないぞ」

「では、ナタルさんでよろしいですか?」

「あぁ。君は、MSのパイロットなんだな」

「はい」



パラパラとなにかの資料を読んでいるナタルさんを黙って見ていると徐々に表情が険しくなっていくのがわかり、少しだけ構える。

多分、あたしについての資料だと思うし…なにか不振な点でもあったんだろうか。

そして読み終わったのかゆっくりと資料を閉じると、他のクルーの人に少し席を外すと言うとあたしの腕を掴んでブリッジを後にした。



「あ、あの…」

「あぁ、すまない。部屋を用意するようにと書かれていたから案内する」

「あ、はい。お願いします」



なるほど…艦内を全く知らないあたしの為にわざわざ案内してくれるのか。

あたしの腕を離すとここは、なんだとか色々と教えてくれた。もちろん、余計な事は話さず淡々とである。

そして不意に思った。もしかして、あたしってばナタルさんに余計な時間を取らせてるんじゃないだろうかと。



「あ、あの…もう大丈夫です。なんか余計な時間を取らせてしまってすみません」

「…ふっ、おかしな事を言うんだな。これは、私の任でもあるから気にするな」

「そう、ですか?」

「あぁ。それに明日には、他のクルーも来る。それまでは、なにかあれば私に言ってくれれば出来る事はしよう」

「ありがとうございます」



だから、そんな事を言うなとナタルさんが優しく笑う。

最初は、ちょっと怖い人なのかと思ったけど…ナタルさんは、凄い優しい人ですぐに話せる様になった。



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