地球連合軍の人達が、あたし達の過ごす孤児院に訪れたのは1週間前の事だった。
理由は、よく知らないけど数十人の男の子を引き取りたいとの事で、最初は孤児院のシスターも断っていたのだけれど上からの圧力のせいで泣く泣く承諾した。
その様子を見ていたあたしは、すぐに止めに入った。だって、引き取りたいと言った男の子の中にシャニ達が含まれていたから。
シャニ、クロト、オルガとは物心付いた頃からずっと一緒にいた。だから、どうしても嫌だった。
それになんだか凄く嫌な予感がした。だけど、あたしの言葉は届かずシャニ達は連れて行かれた。
そして泣きながら嫌だと騒ぐあたしに3人は、俺達は大丈夫だからと笑ってあたしに手を振った。
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そして、3人と別れてからもあたしの嫌な予感は消えなかった。むしろ、日に日に不安が募っていき…あたしは自ら地球連合軍へと向かった。
最初は、門前払いを受けていたのだけど…アズラエルさんという人にチャンスをあげると言われて必死に言われた事をこなした。
その結果あたしは、地球連合軍に入る事を許された。
「シャニ!クロト!オルガ!」
そしてあたしは、3人に会う事が出来た。しかし、あたしを見るなり3人は目を丸くしたかと思うとあたしと一緒にいたアズラエルさんに掴み掛かった。
「…これ、どういう事?」
「なんで、エルナがいんだよ!」
「テメェ…!」
「手を離しなさい。それに君達は勘違いしています。彼女は、自らここに来たんですよ」
「・・・は?」
「さぁ、挨拶はこれくらいにしてエルナは部屋に戻りなさい。君達は、ここで待機です」
せっかく、3人に会えたのにすぐに部屋から出るようにとアズラエルさんに手を引かれて部屋から出た。
正直、話したい事がたくさんあったけど…3人が無事な事を確認出来ただけでもよかったと素直に従った。
そして案内された部屋に入ると、アズラエルさんにここがあたしの部屋だと説明された。しかし、余り部屋から出ないようにと言われて渋々あたしが頷くとすぐに部屋を出て行った。
ゆっくりとベッドに座り3人の事を思い出す。3人は、あたしを見るなり喜んでくれるかと思ったのに…目を丸くして怖い顔をしていた。
…3人は、あたしがいない方がよかったのかな。
そんな事を思いながら大分前にアズラエルさんに渡された資料に目を通した。
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