この1人でいる時間が辛い。
あたしは、早くシャニ達の元へ戻らなくちゃいけないのに…なかなか傷は癒えない。正直、あたしの傷なんて気にしなくていいのに。
それにアスランさんがプラントに帰ったと聞いて、更にあたしも早く戻らなくちゃという気持ちが強くなった。
「エルナ?まだ起きてるかな」
「…キラ?」
「…やっぱり、起きてたんだね」
「なかなか寝れなくて」
「…隈が酷いね。ディアッカも心配してたよ」
「…なんか色々と考えちゃって。でも大丈夫だよ」
心配そうな顔をして部屋に入って来たキラに精一杯の笑みを向けると複雑そうな顔をされてしまった。どうやら、ちゃんと笑えてなかったみたいだ。
ここの人達には、これ以上迷惑を掛ける訳にはいかない。特にキラには余計な心配をさせたくはない。
詳しくは、聞いてないけど…ムウさんとマリューさんの話ではキラもかなり辛い思いをしながらここまで戦って来たみたいだし。
それにキラは、あたしをアークエンジェルに置く様に頼んだせいか…それでもなくあたしを気に掛けてくれてるし。だから、キラにはゆっくり休んで欲しい。
…本当ならあたしなんかを気に掛ける余裕なんてないんじゃないかな。
「キラこそ休んだ方がいいよ。なんか疲れた顔してるし」
「だから、エルナのところに来たんだけどな」
「え?」
「…なんでかな、エルナといると不思議と気を張らなくて済むんだ。迷惑かな?」
「え、いや…そんな事ない。キラがいいなら…居てくれて構わないよ」
やっぱりキラは、優しい。
全くの嘘だとは思わないけど、きっと何かしら理由がないとあたしが気にするから…と優しいキラなりの気遣いなんだろうな。
それにそんな事を言われたら、本当は嘘だったとしても迷惑だなんて言えない。キラがここに居たいと言うなら、あたしは本当に居てくれて構わないし。
それにしても、ディアッカもよく会いに来てくれるけど…なんであたしなんかを気に掛けてくれるんだろう。
「ねぇ、エルナ?」
「ん?」
「また僕の話なんだけど…聞いてくれる?」
「…え、うん。あたしなんかで良ければ、いくらでも聞くけど」
「エルナは、僕に色々な話してくれたから。僕もエルナに色々知って貰いたい」
あぁ、そう言えば…γーグリフェプタンの成分をキラに説明してる時に色々とシャニ達の事とか…孤児院での事とか話したんだっけ。
シャニ達がアズラエルさん達に連れて行かれた時の事とか…なんでか全部話しちゃったんだよね。
今思えば、キラからしたらだからなんだって話を長々としちゃったな。
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