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キラに手を引かれて部屋に入るとやっぱり体調が悪いのか余り顔色が良くないキラに申し訳ない気持ちになった。



「…急にごめんなさい」

「ん?別に大丈夫だよ。それで話って?」

「ううん、キラ体調悪いみたいだから…また後でにするよ」



ごめんなさいと再度頭を下げてから部屋を出ようとしたら、キラに腕を掴まれ振り返ると僕は大丈夫だから…と弱々しく笑うキラに何も言えずコクりと頷いた。



「別に体調が悪い訳じゃないんだ。ちょっと色々あって…」

「なら、やっぱりっ…」

「本当は、僕がカガリの傍にいてあげなきゃいけないのに…」

「…あのオーブの子?」

「えっ…カガリに会ったの?」



キラが何か思い詰めてるのはわかったけど、話がまるでわからなくて…辛うじてわかったのか"カガリ"という子が関わってるって事だった。

だけど、あたしはその子がオーブの子だという事しか知らないから…そのまま思った事を口にするとキラが目を丸くした。

そしてさっきまでブリッジに行っていた事とキラに話がしたいと言った当初の理由を話すとキラがうつ向いてしまった。

ど、どうしたらいいんだろう。あたしが何か変な事を言っただろうか。



「…カガリと僕は姉弟かもしれないんだ」

「え?」

「カガリのお父さんがオーブから脱出する時にそう言ったって。その時に渡されたっていう写真を見せて貰ったんだ」

「・・・・」

「その写真に写る知らない女の人に抱かれてる赤ん坊が僕とカガリみたいで…」



やっぱりあたしは、あのカガリという子の大切な人を…父親を奪ってしまった様だ。直接手を下してないとしても…あたしがオーブを攻めた事に変わりはない。

脱出した時という時点でわかっていたけど、その真意がわからないままということは…カガリさんのお父さんに聞くことが出来ない、つまりもういないんだと思う。

"私は気にしてないぞ!"

あたしに気を使ってくれてたんだろうけど、気にしてない訳がない…。



「その時にカガリにカガリの父親はウズミさんだけだよなんて言ったんだけど…自分がよくわからなくて」

「あたしには、両親がいなかったからそういうのはわからないけど…自分が親だと思ったら親なんじゃないかな…あたしがシスターを母親と思ってみたいに」

「…エルナ」

「それにキラはキラだよ。カガリさんと姉弟でも…キラである事に変わりはない…とあたしは思うし。だから、えっと…」



原因はあたし達がオーブを攻めたからなんだろうし、いくら謝って謝りきらないけど…

だから、少しでもキラの気持ちが落ち着くようにと必死に言葉を紡いだ。

敵だったあたしを受け入れて信じてくれたキラだから、あたしにも出来る事があるならしたかった。




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