これは、休憩というなの軟禁。あたしが余計なものを見ないように、知ることがないように。
そして自分の部屋に着くなりベッドに横になって、ただただ丸くなっていた。
・・・大丈夫、大丈夫、大丈夫。
あたしは、大丈夫。
シャニ達は、まだ休養中だからと…言われてしまい、みんなの顔を見ることも出来なかった。
話せなくてもいいから、ただ顔を見せてほしい。みんなが生きてるって確認したいのに、出来なくて…心が苦しくて痛い。
「・・・エルナ、入るよ」
「っ、ティキ!!」
「・・・ごめん、心配させたみたいだね。それと単機で出撃したんだって?」
「っ、だめ…寝てて。お願い、そんな…ボロボロな体で動かないで」
「・・・泣かないで、大丈夫だから」
・・・大丈夫なはずがない。
誰が見ても顔色が悪くて、息も上がっているのに…どうしてそんな笑みを浮かべるの。
きっと、こんな状態であたしの元に来たって事は…アズラエルさんがティキにそう指示をしたんだと思う。
あたしがシャニ達を気にし過ぎてたばっかりに、ティキに無理をさせる事になってしまったんだ。
「・・・ごめん、ごめんね」
「エルナは、悪くないよ。それとシャニ達は、ちゃんと無事だから安心していいよ」
「うん、わかった。だから、ティキは部屋に戻って…お願い」
「・・・部屋に戻っても、何も変わらないよ。俺のは、もうどうにもならないから」
「っ、やだ…そんな事言わないでよ…」
きっと、発作みたいなものなんだと思う。定期的に起こるってティキは、言ってたけど…やっぱり酷くなってる気がする。
だって前は、こんなにあからさまに体調が悪い姿は見なかったし。逆に、この艦に来てからティキの顔色がよかった時がない。
つまり、かなり状態が悪くなってるって事だよね。更にγーグリフェプタンのせいで、体がボロボロになってるから…
「ティキ…薬は?」
「エルナがダメっていうから控えてるよ」
「でも辛いんだよね? 苦しいんだよね?」
「ま、まぁ…それなりに、ね。でも、エルナに泣かれるくらいなら我慢するよ」
「っ、ごめんね…助けたいなんて言ったくせに何も出来なくて、苦しくてばっかりで」
・・・本当にダメ過ぎる。
だけど、どんなに絶望的でも…あたしは諦めたくない。
だから、ティキも一緒にアークエンジェルに連れていく。絶対に5人でここから…逃げ出す。
そう心に誓って、顔色が悪いまますまなそうに笑みを浮かべているティキの冷たい手を握った。
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