あの後、シャニはあたしに抱き締めたまま寝てしまった。元からシャニはよく寝る方だけど…このまま寝られるのは困る。
だけど、傷口が熱を帯びてズキズキと痛んでいるせいで力が入らずシャニを退ける事が出来ない。
それにぎゅうっとあたしにしがみ付くように寝ているシャニを、無理矢理起こすのもなんだか気が引けるし。
そんな事を考えながら、傷の痛みに堪えつつシャニの頭を撫でていた。
暫く、そのままの状態でいるとドアの外から声がしてゆっくりとドアが開いた。
「ほらね」
「いや、ほらね…じゃねぇだろ」
「えっと、ティキとオルガ? あ、あのさ…悪いんだけどちょっとシャニを退かしてくれる?」
「ハハハ、身動き取れなかったのか。今、動かすよ」
「お、起こさない様にしてね。なんか…寝かせといてあげたいから」
「シャニの奴は、そう簡単に起きやしねぇだろ」
いや、そんな事ないと思うけど…いつも結構敏感に起きるじゃん。それに起こせばすぐに起きるし。まぁ、寝起きが悪いのはともかく。
そんな事を思ってる間に、ティキとオルガがゆっくりとシャニを退かしてくれたんだけど。
どうやらシャニは、あたしを離す気はないらしく…服を握ったままだった。そして、結果的にシャニの頭はあたしの膝の上にある訳ですが…。
まぁ、これなら傷も痛くないから全然いいんだけどね。
「やっと落ち着いて話せるぜ」
「ありがとね。本当ならシャニだけじゃなく、3人とも話したかったから」
「まぁ、シャニが連れてっちゃったからね」
「でもクロトは?」
「あー…あいつは、いいんだとよ」
「ん、そっか」
オルガの切れの悪い言い方からして、クロトは具合があんまり良くないのかな。まだ薬のせいで…苦しんでるんだもんね。
とりあえず、クロトについては深く追求するのはやめておこう。
そんなあたしに、何故かティキが少しだけ困った様に笑った気がした。
「とりあえず、本当に無事でよかったよ。よく帰って来たね」
「え、あっ…うん。助けて、貰ったから」
「なんかあったのか?」
「・・・ううん。特にないよ? ただ、手当てしもらっただけ」
「へぇ。まっ、まだ怪我も治ってねぇんだから無理すんなよ」
「うん、わかってるよ」
いっぱい心配掛けたみたいだし、これ以上みんなに負担を掛けないように気を付けなきゃ。
それに…あたしには、やらなくちゃならない事が増えた。
このまま怪我をしたままだと、何も出来ないままになってしまう。だから、1日でも早く良くならないと。
そしてティキは、顔が見れたら安心したとすぐに部屋を出て行ってしまって、あたしとオルガとシャニだけになって。
自然とオルガが隣に座り、そのままオルガと他愛ない話をしている間にあたしも寝てしまった。
※ブリッジ内にて
(噂をすれば、なんとやら…ですね)
(なに、俺の話?)
(何かあれば、僕の代わりにって話をね)
(あぁ、そう)
(私は、ナタル・バジルールだ。よろしく)
(ティキ…いや、No.01の方でいいですよ)
(いや、名前を聞かせて欲しい)
(ティキ・べリアル。ティキでいいですよ)
(それとティキには、他3人の事も任せていますから)
(はっ、了解しました)
(じゃあ僕は忙しいから、任せたよ)
(わかった)
.
や、やっと再会出来ました!!
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