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そして5人になった途端。

あたしは、不意にクロトに抱き付かれて思わず傷が痛くて叫びそうになる。



「・・・ッ!」

「バカ!エルナのバァーカ!」

「クロト、ちょっと待て。エルナの顔色がヤバい」

「さっきちょっとだけど血の匂いと消毒薬の匂いしたし。エルナ、怪我してるよね?」

「まぁ、無傷な訳ねぇよな」



その言葉にクロトがバッとあたしから離れるが普通に痛かった。アズラエルさんは、何て言うか…包み込む感じだったから痛くはなかったけど、さすがに飛び付かれたら痛い訳で…

思わず傷を押さえてしまった。

傷が酷いのは腹部と左肩だ。まぁ、咄嗟に押さえたのは腹部だったんだけど。



「え、あっ…エルナ、ごめん!」

「あ、ううん…大丈夫。え、なにシャニ?うわッ!」

「・・・・・」

「おい、シャニッ!」
「どこ行くんだよ!」

「まぁまぁ、オルガもクロトも落ち着きなって。また喧嘩になるよ」

「…チィッ」



なんだかよくわからないけど、急にシャニがあたしの手を掴むとスタスタと歩いて行く。

後ろでクロトとオルガがなにか言ってたみたいだけど、シャニはそんなの気にしてないみたいだった。

とりあえず、クロトとオルガはティキがいるし大丈夫だろうと判断したあたしは黙ってシャニについて行った。



「…エルナ、部屋」

「え、あたしの?すぐそこだけど」

「・・・・・」

「どうしっ…うわぁッ!」



急に止まったかと思ったら、あたしの部屋を聞いてきて…聞くなりまた有無を言わさずまた手を引く。

…なんだろう。シャニ、怒ってるのかな。

そして部屋に入るなり、シャニはベッドに突き飛ばすようにあたしを押し倒した。

さすがのあたしもビックリして起き上がろうとするがシャニの力が強くて、腹部の傷が痛み動けない。



「ッ、…シャニ?」

「…エルナ、エルナ…本当にエルナだ」

「ごめん…ごめんね」

「ん、いい。エルナがいるなら…もういい」



あぁ…なんだろう。

あたしがいるのを確かめる様に強く抱き締めるシャニに泣きそうになる。全然力の加減が出来てなくて…傷が痛むけど、それでもシャニが満足するまでされるがままでいた。

あたしは、シャニ達が生きている事をわかっていたけど…シャニ達からしたらあたしが生きてるのか死んだのかわからなかっただろうから。

きっと、色々と考えさせちゃって…精神的に負荷を掛けてしまったんだろうな。

それでも…やっぱり抑揚の無いシャニの声音にあたしがいない間もずっと投薬をされていた事が嫌でもわかり、ズキリと胸が痛んだ。



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