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そしてシャニを追って待機所に向かうが、何故かそこにシャニの姿はなく…いつもの様にゲームをしているクロトと読書をしているオルガがいるだけだった。

・・・部屋に戻ったのか?

エルナがいなくなってからは、俺等をまとめて待機させるのがデフォになっていた。それに睡眠も監視が出来る部屋で4人一緒にされてたから自分の部屋にいる事はほとんどなかったんだけど。

それにシャニに関しては私物が少ないから、特に部屋に戻る事が少なかったはずだし。まぁ、たまにフラッとどこかに行く事はあるけど。

そんな事を思いながらシャニの部屋をノックするが中から何の反応がなくて、ゆっくりと扉を開けるとベッドの上で丸くなって横になっているシャニがいた。



「シャニ、大丈夫か?」

「・・・・・」

「眠いの……、っ!」



俺の声にゆっくりと反応したシャニの手に持っていた物に思わず目を見開く。

シャニが手にしていたのは、エルナの軍服(ワンピース)だった。エルナの部屋は、いなくなった時のままになっているのは、知っていたけど…まさか持ち出してるとは思わなかった。

・・・やっぱり、シャニは無意識にエルナを探してる感じだな。

そして何?と言わんばかりに頭を傾げているシャニは、相変わらず無表情だ。



「それ、どうしたんだ?」

「エルナがここに置いてった」

「エルナの部屋に行った訳じゃないのか」

「ん、いってない」

「エルナの部屋、行くか?」

「いっても、エルナいない」



エルナがいないのはわかってるから、わざわざ部屋に行く理由がないのか。だけど、こうもエルナのワンピースを大事そうに抱えているシャニを見ているのは辛いな。

シャニの中でエルナがいたって事を確認出来る物がこれしかないんだろうな。エルナがいなくなってから、前以上に口数が減ったし。きっと、シャニなりに必死にエルナを忘れない様にしてるんだと思うと胸が痛い。

とりあえず、シャニをエルナの部屋に連れて行こう。多分、何かしたら残ってるだろうし。ベッドに座りながらボーッとしているシャニに少し付いてくれるか?と言うと少し間があったが、コクりと頷いてくれた。

そしてエルナの部屋に入るとシャニもゆっくりと中に入ってきた。



「エルナいないよ」

「うん。近々、宇宙に上がるってのは知ってるだろ?だから、荷物整理しなきゃかなって」

「エルナの?」

「そう。大事な物を置いてったりしたら、エルナは怒りそうだし」

「ん、わかった」



そして、さすがに衣類関係は触れないけど軽くデスクの引き出しや、ベッド脇にある小物類を整理して小さな箱に詰めた。

シャニも動作こそ遅いがエルナの…と呟きながら小物類を箱に入れていた。




※あらかた、整理後
(どれか見覚えあるのあるか?)
(…ん、これとこれ)
(ハンカチとビーズの腕輪?)
(うん)
(じゃあこのハンカチはシャニが持ってて)
(…?なんで?)
(いいから。無くさないようにね)
(ん、わかった)
(ちゃんとエルナに渡さないとな)
(ん…)
(じゃあ戻ろうか)

※シャニが辛い



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