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それで順番に起動テストをする事になって、今はシャニがやってるのを見てる感じ。

ちなみにオルガとクロトは、既に終わって先に待機所に戻っている。

それにしてもシャニは、stage4なだけあって、3人の中だとMSの操作に関しては断トツだな。だが、代わりに柔軟性に欠けているせいか扱い切れてないところを見ると…総合的に見ると…クロトが一番まともに動けそうだな。

オルガは、stage2で安定はしているが…いざ戦場に出ると普段色々と抱えてるせいか、クロトより不安定になるみたいだし。

そしてシャニの起動テストが終わった様でシャニに降りる様に隊員が声を掛けるが、なかなかシャニが出て来ない。

その後も隊員が何度も呼び掛けるが反応がなくて、さすがに心配になり隊員に断りを入れてたからコックピットに向かった。



「シャニ!どうかしたのか?ここ開けられるか?」

「・・・・ん」

「シャニ、お前っ…」

「エルナ…帰って来る?」

「・・・そう、だな」

「ん、そう」



コックピットの中で虚ろな瞳でただ呆然と涙を流しているシャニに思わず、息を飲んだ。

頭ではわかってなくても、心がエルナがいない事を悲しんでいるかの様に無表情のまま俺の方を向いたシャニに"それはわからない"と言えず、曖昧な返事をしてしまった。

しかし、それに納得したのかシャニは小さく頷くと俺を無視するかの様にコックピットから出るとそのまま去って行った。


シャニの涙を見たせいで自分がエルナを守れなかった事を更に悔やんだ。

クソッ…3人には、エルナが必要だってのに俺はそれすら守れなかった。俺がクロトを守れてれば…エルナが無茶をする事はなかったのに。



「No.01!」

「なに」

「起動テストは終わりだ!さっさと戻れ!」

「・・・・・」

「全く…どいつもこいつも話を聞かん奴で困る。戦うしか価値のないクセっ…ぐ!」

「お、お前!何をする!!」

「いつもは聞き流してるけど、そうじゃない時もあるって事を覚えときなよ」



俺は、別にいい。軍に…アズラエルに飼われてる身だ。戦うしか価値のないと言われたって否定しないさ。

だけど、無理矢理連れて来てこんな生体実験にまで巻き込んだのは自分達のクセに…シャニ達を"戦うしか価値のない"なんて言うのは許さない。

ギリギリと隊員の首を締め上げるが、死なれたら困るので暫くして手を離した。

そもそも、俺等は特殊訓練もしてるしMSに乗らなくてもそれなりに戦えるのを忘れて好き勝手言い過ぎなんだよ。それに俺は、エルナとは違うけどアズラエル直属のパイロットって事も忘れてるよね。

だから、それなりに手荒な真似をしてもアズラエルに少し注意されるくらいだからこのくらいなら問題ないし。

とりあえず、シャニが心配だ。

ギャーギャーと騒がしい隊員に次は、加減しないからねと笑顔で"嘘の忠告"をしてからシャニを追い掛けた。

さすがに隊員を殺したりしたら俺でも許されないからね。




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