まさかのエルナの言葉に驚いていたら、僕の様子を見に来たマリューさんに怪我をしてるんだからとエルナは部屋に戻されてしまった。
「そういう事だからアスランは、ちゃんと戻って来ないとね」
「…あ、あぁ。それにキラやディアッカがあの子を気に掛ける理由がわかった気がするよ」
「エルナだったか?私も後でちゃんと話してみたいな」
アスランとカガリの言葉に頷いてから、ずっと部屋に籠りっぱなしだったせいでみんなに心配掛けちゃったみたいだからそのまま僕も部屋を出た。
ちょっとマリューさんに言いたい事あるし。それに途中までアスランを送らなきゃならないから。
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「まぁまぁ、捕虜同士仲良くしようぜ?」
「…ディアッカはもう捕虜じゃないってキラから聞いた。自分の意思でここに残ってるって」
「いや、まぁ…そうなんだけどよ」
エルナをキラの部屋に置いて、一足先にエルナの部屋に戻って来てたんだが…怪我に障るとかで艦長さんと戻って来た。
ちなみにエルナの部屋はロックが掛けてなくて誰でも入れる様になってるから、別に俺がいても変じゃないっつーか。艦長さんも大人しくさせといてね?なんて言って出て行っちまったし。
それにしてもエルナがまさか、地球連合軍のパイロットとはなぁ。未だに信じられねぇっつーか…信じたくねぇっつーか。それに前に聞いた話だとエルナは孤児だったみてぇだし、地球連合軍は民間人まで戦場に駆り出すのかよ…。しかも怪しげな薬まで使って。
「…なんつーか、あんま思い詰めんなよ。怪我良くなんねぇぞ。まぁ…良くなったら良くなったで嫌だけどな」
「え?」
「…怪我良くなったら月基地に帰すって話だったろ。正直、出来る事なら帰したくねぇんだよ」
「でもあたしは、帰らなくちゃいけないから」
「わかってるっつーの!だから、さっさと逃げて来いよ?」
「…うん。頑張る」
ベッドに腰掛けながらすまなそうな顔をしながら笑うエルナに思わず抱き締める。
あぁ…クソッ、んな顔すんなよ。
多分、一目惚れに近かったと思う。なんつーか、放って置けないヤツで…鈍臭いクセに何事にも真剣で、勝手に今度からこいつの為に戦おうなんて思ってた。
…だけど、今の俺にはエルナになんもしてやれねぇ。それがもどかしくて、少しでもエルナの気を紛らわしてやりたくてこうして会いに来ちゃ話し掛けてるけど…。
やっぱりそう簡単にいくもんじゃねぇな。
(ディ、ディアッカ…?)
(本当…嫌になるぜ)
(え?)
(いや、なんでもね)
(…何かあったの?)
(別になんもねーよ)
(あ、ディアッカもプラントに戻るの?)
(ん?あぁ、俺は戻んねぇよ)
(でもディアッカもザフトなんじゃ…)
(まぁ、そうなんだけどな)
(後、そろそろ離して欲しいかな…)
(だが断る)
(えぇ…?)
※ずっとキラのターン
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