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ずっと真剣に薬について説明して疲れたのか、エルナは隣でスヤスヤと寝ていた。

それに僕の心配をしてたみたいだけど、エルナの方が顔色は悪いしきっと無理して来たんだと思う。それでもなく、1回傷口が開いたって言うのに…。

ずっと気を張り詰めていたみたいで…ここにいる後ろめたさもあるだろうし、疲れてるんだろうな。

それに薬の事で大切な人達の事を話してくれたんだけど、色々と思い出してまた泣き出しちゃったし。

ソッと泣き過ぎて赤くなっているエルナの目元に触れる。そこで泣いてる顔ばっかりでエルナの笑顔を一度も見てない事に気付いた。

エルナの笑顔…見てみたいな。


そんな事を考えていると不意にノックが聞こえてゆっくりとエルナを起こさない様にドアに向かいロックを外した。



「よかった!ずっと部屋に籠りっぱなしだって聞いて!心配するだろ!」

「…大丈夫か?」

「…カガリにアスラン。僕はもう大丈夫だよ、心配掛けてごめんね」

「全くだ!」

「それと俺は、やはり1度プラントに戻る事にした。父上ときちんと話をしたい」

「…そう。ちゃんと戻って来るんでしょ?」

「キラ、安心しろ!既に私と約束済みだ!帰って来なかったら許さないとな!」



何故か誇らしげに胸を叩くカガリにアスランがわかったら静かにだな…と苦笑いを浮かべていて、あぁアスランがずっとカガリの傍にいてくれたんだなと思った。

でもやっぱりアスランがプラントに戻るのは心配だ。


「…んっ」


不意に背後から小さな声が聞こえて振り向くと寝ていたエルナが起き上がっていた。



「なっ…なんで彼女がここに!?」

「うん、ちょっと色々と話をしてたんだ」

「んっ…あれ、キラ?…っ!!ご、ごめんなさい!」



そして自分が寝ていた事に気付いたのかエルナはバッと立ち上がるとすまなそうな顔をして僕に謝ると、驚いた顔をしているアスランとカガリにもごめんなさいと頭を下げた。

そんなエルナに謝らなくていいんだよと笑い掛けると恐る恐る顔を上げた。

そして不安そうな顔でアスランとカガリを見るとどうしていいかわからないのか視線を泳がせた。



「アスランがね、プラントに1度戻るんだって」

「う、うん…?」

「あっ…そっか。エルナは、アスランの事なにも知らないもんね。アスランは僕の友達でザフトのパイロットなんだ…」

「キラの友達…」

「うん。色々あったけど大切な友達なんだ」

「えっと…あ、あの…無事に戻って来て下さい。きっと貴方に何かあったら悲しむ人がたくさんいるから」



そういえば、エルナにまともに自己紹介したのは僕とマリューさんくらいしかいなかったな…と思って軽くアスランについて話すとエルナが呟くような小さな声でそう言った。




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