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よくわかんないけど、また悲しそうな顔をするキラにどうしたものかと考えていると、不意に部屋の扉が開いた。

そしてそこには、あたしが知っている人物が立っていた。その人物もあたしを見るなり目を丸くして動きが止まった。



「そろそろ交代だとっ…!?」

「…ディアッカ」

「…エルナ、お前…」



あぁ、なんて残酷な。

本当にまた会ってしまった。しかも、一番会いたくないところで。

そこに立っていたのは、数週間前にまた会おうと別れたディアッカだった。

さすがのあたしも涙が出そうになる。ディアッカには、会いたかったけど会いたくなかったよ。



「お前っ…嘘だろ?」

「・・・・・」

「…プラントに帰るって言ってたじゃねぇかよ!」

「…ごめん」

「ごめんって…なんでっ!」

「…本当にごめん」

「…っ!大切な人が病気ってのも嘘かよ!」

「…それは嘘じゃない!」



ディアッカが凄い勢いであたしの胸ぐらを掴む。なのにディアッカは、今にも泣きそうな顔をしてて…胸が痛くなる。

そんなディアッカをキラが宥める様に止めるとゆっくりとあたしから手を離す。

あぁ、ダメだ。
言い訳にしかならないけど…ディアッカには、ちゃんと理由を話したい。騙した事は、変わらないけど…それでも…

でも、話したら…シャニ達の…情報が…



「……っ!あたしの大切な人が薬で…無理矢理、パイロットにされたの」

「…薬って」

「…信じてくれなくてもいい!証拠なんて持ってないし。だけど、その大切な人の為に勉強してたの。その薬に対抗できる薬を作りたくて…だから、ごめッ…騙すつもりなんてなかったの」

「…エルナ。お前…」

「戦わなくちゃ…命令をきかないと…薬が貰えなくて。狂っていくみんなを助けたく、て…だか、らっ…!」

「…僕は、エルナの話を信じるよ。ナチュラルにしては、変だって感じた理由にもなるから…」



なんで、なんであたし…泣いてるんだろう。こんなに口に出して、シャニ達の事を話すのが辛いとは思わなかった。

いつもあたしの手助けをしてくれていたティキは、全てを理解して知っていてくれたから話す必要なんてなかったし。

そして必死に涙を止めようと唇を噛んだ。




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