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というか、あたしは何を悠長に話してるんだ。



「ねぇ、さっきから情報を聞き出そうとしてるなら意味ないよ。だから、殺すならさっさと殺してくれないかな?」

「…なっ!そんなつもりじゃ…!」

「…じゃあなに?敵なのに助けた理由は?捕虜?それともあたしをダシに撤退でもさせるつもり?なら意味ないから殺しなよ」

「・・・・ッ!」

「…なんで泣くの」



目の前でポロポロと涙を溢す彼に思わず目を疑う。今までの話の流れでどこに涙を流す要素があったのだろうか。

さすがのあたしも目の前でこうも泣かれると動揺する。

と言うより、なんか凄い悪い事をした気分になってくる。むしろ、もうなってる。



「…なんか、ごめん」

「……ッ(フルフル)」

「よくわかんないけど、君はあたしになにが聞きたいの?」

「…答えてくれるの?」

「まぁ、答えられる範囲なら」

「…じゃあ君の名前は?」

「……エルナ。エルナ・アガレス」

「エルナ…」



あぁ、なんかダメだ。
なんだろう。敵なのに敵って思えなくなってきた。優しく嬉しそうに笑う彼に騙されそうになる。

て言うか、もっと敵らしい人はいないのかな?むしろ、なんであたし拘束もなにもされてないんだろ。

本当に意味がわからないや。
なにがしたいだろこの子。



「…僕は、キラ・ヤマト」

「そう。それで話は?」

「…うん。まず、僕等はエルナを殺す気はないよ」

「ならここから出して」

「それは…」

「ほら、結局は捕虜じゃん。なら殺してよ。あたしにここで生きてる意味はないから」



もうなんなんだろう。
まぁ、期待なんてしてなかったけどさ。捕虜なんて真っ平ごめんだ。

みんなに迷惑を掛けたくない。それにあたしが生きてるって知ったら、もしかしたらだけどみんなが無理をしそうだし。

だったら、クロトを守って死んだって事にしてほしい。それならかっこつくし。



「…勝手に調べさせて貰ったんだけど、エルナはナチュラルでコーディネーターじゃないんだよね?」

「そうだけど」

「…でも他のパイロットはナチュラルじゃないよね?」

「・・・・・」

「…ナチュラルでもなくてコーディネーターとも違った感じがしたんだけど」

「…それを聞いてどうするの」



あたしの事は手当てした時にでもいくらでも調べられただろうけど…まさかシャニ達の事までわかるとか。しかも感じたって…もうちょっとした超能力なんじゃないの?それ。

つまり、彼はコーディネーターなのか。まぁ、あの白いのと赤いののパイロットは確実にコーディネーターだとは思ってたけどさ。




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