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・・・クソッ!
エルナのデュエルは、大破こそしていないがあの状態じゃ逃げられない。
それどころか通信に応じない辺り、最悪死んでる可能性もある。むしろ、あの損傷具合だと生きてても…
「テメェッ!!!」
「お前ェ!お前ェェ!!」
「殺してやるッ!!」
それにエルナが墜とされた事に混乱してるのかやみくもに攻撃をし始めるオルガ達。
しかも薬の時間切れも近い…
チラリとエルナの機体を見るが正直、生きてるか死んでるかわからない。
だけど、エルナが身を呈してクロトを守ったんだ。このまま混乱しているまま戦ったら勝ち目はない。
エルナ…ごめん。
「オルガ、クロト、シャニ!撤退だ!」
「あ゙ぁ!?」
「なんでだよ!」
「はぁ?」
「このままじゃ、エネルギーが切れる。それに薬の時間切れも近い。だから一旦、撤退する」
「エルナを置いてくのかよッ!」
「今ここで俺等が殺られたら意味ないだろ!薬が切れたらおしまいだ!」
「チィッ…」
エルナを連れて帰れるなら帰りたい。だけど、この白いのと赤いのがそうさせてくれそうにない。
なら、エルナが守ろうとしていたものを守る。アズラエルやオルガ達になにを言われるかわからないが…
エルナが生きてるのを信じるしかない。そして、助けにくる。
「うぐッ!」
「うっ…」
「くッ!切れてきやがったッ!」
「すぐに撤退するぞ!」
そしてタイミングが良いのか悪いのか薬が切れたオルガ達は、すぐにその場から撤退した。
さすがに急に俺等の動きが止まったのを見て不思議に思ったのか相手も攻撃を止めていた。
そして帰艦するなり、オルガ達は薬切れで床に崩れるよう膝を付いた。しかし、オルガ達は薬を貰えず部屋に閉じ込められた。
「…エルナは、どうしたんです?」
「・・・・・」
「役立たず共が!」
「言い訳はしない。だけど、エルナはもしかしたら生きてるかも知れない。次の出撃でエルナのストライクダガーを持ち帰ってくるよ」
「…どういう事です?」
「半壊はしてたけどコックピットは、無事だったと思う。だから、生きてるかも知れない」
「…いいでしょう。なら、エルナを無事に連れ帰って来なさい。まぁ、まずはおしおきですけどね」
そして俺も状況報告をした上で予備の薬を没収されて部屋に入れられた。
(…アズラエル理事)
(エルナは、生きています)
(しかし…)
(いいから、早くレーヴデトワールーの調整を)
(は、はっ…)
(それとね、少しデータを変更してくれる?)
(…は、はい?)
(今のデータより1ランクあげて)
(…1ランクですか?しかし…)
(エルナなら乗りこなすよ)
(は、はっ!すぐに変更しておきます!)
※ヒ、ヒロイ〜ン!!
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