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うーん…なんであんなに怒るかなぁ。確かに、勝手に出るって決めたのは悪いけどさ。

シャニとクロトなんてエルナのバァーカって連呼してたし。オルガも呆れた顔してもうなんも言わねぇとか言うし。

あたしだって、出たくて出るんじゃないもん。ただ、みんなを守る為には経験がないと…いざって時に動けないと思うし。

それに…あたしは、戦う事に慣れなくちゃならないから。

あたしは、シャニ達みたいに薬を飲んでいないから恐怖心がなくならないから正直MSに乗って戦うのが怖い。だから、慣れるしかない。


そして明日の事を考えるとやっぱりなかなか寝付けなくて、ゆっくりと起き上がりパソコンを開いて、薬について色々と考えていると不意にノック音が聞こえて動きを止める。



「…エルナ?起きてる?」

「クロト?」

「入っていい?」

「うん?いいけど、どうしたの?」

「…なんか寝れなくてさっ」

「…そう、あたしも一緒だよ。なんか、なかなか寝付けなくて」



そう言うと部屋に入って来たクロトは、困ったような顔をして笑った。

そしてあたしは、パソコンの電源を落としてゆっくりとベッドに腰を下ろすとクロトもあたしの隣に座る。

だけど、あたしに悪いと思っているのか背中を丸めていつも以上に小さくなっているクロトに笑みが溢れる。

こういうところは、本当に変わらないなぁ。昔からシャニと喧嘩するとよくあたしの部屋に逃げて来て一緒に寝てたし。

今のクロトはまさにその時と同じ感じだ。



「よし!クロト、久し振りに一緒に寝よっか」

「は、はぁ!?」

「昔よく一緒に寝たじゃん。不安で寝れないのはあたしも同じだし」

「だ、だからって…僕も一応男なんだけど」

「えぇ〜今更あたしにそんな気起こさないでしょーよ。あたしが腕枕してあげるから、ほら」

「うわっ…ちょ、エルナッ!」



ガバッと布団をクロトに被せてあたしもベッドに寝転ぶ。クロトから盛大な溜め息が聞こえて来たけど無視だ。

そして静かに丸くなってるクロトを引き寄せて腕枕をしてあげる。

うわぁ…やっぱり大きくなったなぁ。



「も〜う…普通逆でしょ」

「昔は、よくあたしに泣き付いて来てた癖に」

「む、昔の事じゃん!」

「はいはい、ほら寝るよ。明日は、頑張らなきゃなんだから」



そう言って空いている方の手でクロトの頭を撫でると明日という言葉に反応したのかあたしに抱き付くようにして顔を埋めた。





(…エルナは、怖くないの)
(ん?なにが?)
(…明日、戦うの)
(そんなの怖いに決まってるじゃん)
(…じゃあなんで出るなんて言ったの)
(クロト達を失う方が怖いから)
(…なにそれ)
(なんてカッコつけてみたり?)
(…もうなんなんだよ)
(ただあたしもみんなと戦いたいだけ)
(…無理はしないでよね)
(クロトこそ、無茶しないでよね)

※末っ子の特権(笑)



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