05 (2/4) 




そしてあたしとティキは、γ−グリフェプタンに対抗する薬を作る事にした。

でも試薬品が出来たらティキが実験台になると言い出して、さすがにダメだと言ったがそのくらいしか役に立てないからさせてくれと言われて渋々頷いた。

身体が弱いと聞いたあとだから余計に負担を掛けてしまいそうで嫌だったけど、一緒に頑張ろうなんて言われたら強くダメだと言えなかった。



「とりあえず、研究室?に行ってみる?エルナがいれば文句言わないだろうし」

「え、文句言われるの?」

「いや?口には出さないけど、相手からしたら俺も実験対象な訳だからね。いい顔はされないんだよね。まぁ、適当に話し合わせてくれれば大丈夫」

「実験対象…」

「そんな顔しないでよ。俺は、別に気にしてないし。ほら、行くよ」

「え、あっ…うん」



そしてまたしてもあたしの手を引くティキに黙ってついていく。その間、あたしは頭の中を整理した。色々な事をいっぺんに聞いたせいで少し混乱していたからだ。


そしてあたしが今まで来たことがない扉にカードキーを通して開けていくティキに少しだけ感心しているとティキが足を止めるとここだよと扉を開けた。

中には、白衣を着た人が何人かいてティキを見るなり渋い顔をしたが、あたしが軽く頭を下げると驚いた様な顔をしてすぐにニコリと笑みを浮かべた。



「ア、アガレス少尉じゃないですか!何故、こんなところに!」

「え、えっと…」

「おい、お前…アガレス少尉をこんなところに連れて来てなんのつもりだ!」

「別に?エルナがこの部屋に来たいって言ったんだけど?問題あるの?」

「ご、ごめんなさい。やっぱりダメでしたよね!すぐ出ていくんでティキを責めないで下さい」

「そ、そうでしたか!いやいや、アガレス少尉なら大歓迎ですよ!どうぞ、御自由に見学して下さい」



あからさまにあたしとティキへの態度が違い過ぎてさすがのあたしもちょっと引く。ティキがほらね?と言わんばかりに笑っているが正直、余り気分のいいものではない。

それにしても、ティキに対しての態度が気に入らない。

だけど、ここでティキを庇うような事をあたしが言って、後でティキがなにかを言われるのは嫌なのでグッと我慢をした。


そしてあたしがいるとなにも出来ないのか白衣を着た人達は、なにかあれば呼ぶようにあたしに言うと頭を下げて部屋から出て行った。




- 2 -


BACK | NEXT

[ back to top ]