適当に座ってて下さいと言ってからあたしは、急いで紅茶を淹れた。まぁ、インスタントだから時間は掛からないけど。
備え付きのマグカップを2つ持って戻るとイザークさんが真剣な顔で医学書を読んでいてちょっとびっくりした。
ゆっくりとテーブルにマグカップを置くとイザークさんが顔を上げる。
・・・やっぱり気になるなぁ。
イザークさんには、綺麗な顔立ちに不釣り合いな痛々しい傷痕が顔にあったのだ。
「で、お前は医者を目指している訳じゃないのに何故こんな本を大量に購入したんだ」
「えと…なんて言えばいいのか…」
「ハッキリしない奴だな、貴様は」
「い、いや!医者になりたくて!」
「お前は、嘘を付けないタイプか。それに医者になりたい訳ではないと自分で言っていただろうが」
う、うーん…さすがに説明に困る。γ−グリフェプタンについて調べてますなんて言えないし…。むしろ、この薬は地球連合軍の施設で作られた物だし。
イザークさんが知ってる訳ないし。てか、知ってたら色々と怖いし。
しかもプラントの人達は、なんでも体がかなり丈夫で基本的に医者要らずって情報にはあったけど…絶対に病気にならない訳ではないだろうし。
「えと、医者なんて大層なものになりたい訳じゃなくて…ただ、苦しんでる人を助けたくて…」
「お前の知り合いにそういう者がいるのか」
「はい、大切な人達なんです。だから、あたしが助けてあげたくて」
「…ふん、そういう体の弱い者も稀にいるみたいだからな」
「…そうですね」
どうにか、納得してくれたみたいで安心する。だけど何故か凄い険しい顔をされてちょっとドキリと心臓が跳ねる。
や、やっぱりなんか変だったのかな?で、でもだいたい合ってるよね?病気…ではないけど。
ゆっくりとイザークさんの顔色を窺うと何故かフイッと顔ごと反らされた。
う、うん?ちょっと意味がわからない。
「…俺の知ってる範囲でなら教えてやる」
「え?」
「だから、貴様はなにが知りたいんだ!それを俺が答えてやると言っている!」
「え、あっ…はい。えと…」
なんだかよくわからないけど、イザークさんって理不尽でツンツンしてて偉そうだけどなんだかんだて優しい人なのかも知れない。
そんな事を思いながら、例えばの話を交えながらイザークさんに色々と聞いた。
(…なんて説明すればいいのかな)
(どんな症状なんだ?)
(精神が不安定みたいな…)
(もう少し詳しくわからんのか)
(破壊衝動とか…意識の低下とか…)
(症状だけなら麻薬とかに似ているな)
(あ、確かにそんな感じかな)
(なら精神を落ち着かせるのがいいんじゃないのか)
(精神安定剤みたいな?)
(まぁ、それに近いだろうな)
※ガバガバなザフト軍(笑)
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