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とりあえず、立ち上がり散らばった本に手を伸ばすと銀髪の人があたしより先に本取った。

と言うか、全部拾ってくれたらしい。



「あ、ありがとうございます」

「ふん、気を付けろ」

「いやいや、ここは送って行ってあげるべきでしょ!こんな重たい物持ってたらまた転ぶだろうし」

「…ディアッカ、貴様」

「君、よかったら俺が送るよ?」

「おい、お前はまだ仕事が残っているだろうが!」

「イザークが済ませといてくれよ、なっ?」

「断る!」



なんだかよくわからないけど、言い合いを始めた2人にどうしていいかわからず、とりあえず大丈夫です!と頭を下げてからその場から逃げるように走り出した。

つもりだったが、見事に転んだ。それは、もう盛大に転びました。また本は飛んで行くし、膝を擦りむいたらしく足はヒリヒリと痛む。

本当になにしてるんだろう。

膝の痛みに耐えつつ、急いで本を拾っているとまたしてもあたしが取る前に本が取られた。



「お前は、なにをしているんだ!チッ、本は俺が運んでやる」

「え?あ、あの…」

「えぇ!?イザーク、抜け駆けかよ!いや、まぁ…別にいいけどよ」

「うるさい!お前は、早く仕事を済ませてこい!貴様、なにをボーッとしている!早く行くぞ!」

「え、あっ…ちょっと!」

「あ、お嬢さん!俺、ディアッカ・エルスマン!覚えといてくれよ!」

「え、あっ…はい。あ、ちょっと待ってください!」



そしてあたしの本を引ったくりスタスタと歩いていく銀髪の人を追い掛け様としたら、金髪の人に名乗られたがそれどころではないので一礼をしてすぐに銀髪の人を追い掛けた。

と言うか、なんて強引な人なんだ。別に1人で大丈夫だと思うし…多分。

そして銀髪の人に追い付くと何故か遅い!と怒られた。やっぱりこの人、理不尽だ。



「お前は、何故プラントじゃなく此処にいるんだ?まぁ、大方親の都合か何かだろうが」

「…は、はぁ」

「お前、名は?」

「エルナ・アガレスです。あのあなたは?」

「イザーク・ジュールだ。それより、道は合ってるのか」

「あ、はい。あのホテルです。あの…お礼にお茶でも飲みますか?」

「…ふん、いいだろう」



イザークさん…でいいのかな?
なんかよくわからない人だなぁ…自分から名前聞いといてそれよりってどういう事なんだ。

いや、別にいいけど。

それに事件さえ起こさなければなにをしてもいいって言われたし…お礼くらいはいいよね。

そしてなんか何かと偉そうなイザークさんをホテルの部屋に招いた。




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