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今日は、投薬の過程を見るだけで訓練はなかった。さすがに1週間も経てば慣れてくる。

だけど、気分はよくない。

オルガなんか狂ったみたいに騒ぎ出すし。あ、俺も暴れたんだっけ?…よく覚えてないけど。

エルナは、まだここに居るのかな。おっさんは、命令を聞いていればいいの一点張りだし。

でもいるとしても今更、合わせる顔がないしなぁ。よく覚えてないけど…俺、エルナの首絞めたらしいし。

あぁ…ウザい。

なんで…なんで…こんなところに来たんだよ。

そしてズキリと痛む頭に苛立ちを覚えながら俺は、気を紛らすようにイヤホンで音楽を聴きながら目を閉じた。


どのくらい寝てたのは知らないけど、いつのまにか音楽は止まっていてなんだか頭に違和感があった。


……なんでいるんだよ。


俺の頭なんて撫でるやつなんてあいつ以外いない。

ゆっくりと目を開けて起き上がり、イヤホンを抜いて振り返ればそこには驚いた顔をしたかと思えばすまなそうに笑うエルナがいた。



「起こしちゃった?」

「…なんでいる訳?」

「…ごめん」

「俺が怖くないの。俺、首絞めたんでしょ」

「…怖くないよ。そりゃあ、ビックリしたけど…オルガに体調悪くて精神的に不安定だって聞いたし」

「…ホント、バカだよな」



目の前で悲しそうな顔をして俺を見つめるエルナの頭に手を乗せる。こんな場所までついて来なきゃいいのに…ホントバカ。

しかも変な薬飲まなくてもMSを容易に操縦出来るなんて、あのおっさんが手放す訳ないし。俺等、みたいにならないにしろ…エルナもMSに乗ってよくわからない戦場に駆り出されるんだろうな。

詳しくは知らないけど。
ただ、俺等がただのMSの部品で戦うしかないって事とエルナを守るには俺等が殺るしかないって事だけ。

俺等が命令を聞けばエルナには、なんもしないし戦場にも出さないなんて言ってたけど…正直、信じられないし。

それでも俺等がエルナを守んなきゃ、エルナにあんな苦しい思いさせたくないから。



「…シャニ?どうしたの?体調悪い?」



心配そうに俺の顔を覗き込むエルナにズキリとまた頭が痛む。薬の副作用で頭を使うとすぐに頭が痛くなる。

余計な事を考えられない様になってるんだと思う。そこまでしなくても、もう抵抗なんてする気にならないって言うのに。

あんな苦しい思いをするくらいならどんな命令に従うよ。でもエルナだけは、エルナだけには…そんな事させない。




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