03*1 




D地区の黒禍の殲滅ねぇ。

そういえば、最近やたらと雑魚の黒禍も増えたしなぁ。全くもって面倒臭い。

ったく…毎回毎回、数が多いんだよ。こんなんいちいち、相手してたら時間が掛かってしゃーないっつーの。



「あたしは、見てるだけだから。殲滅は頑張れ」

「了解」

「もちろん危なくなったら助けるけど、あたしがいるから大丈夫とか思わない様に」

「他に何かありますか?」

「ま、雑魚はスタグレで一掃するのが速いよ。それと、βの黒禍の攻撃食らったら水分補給する様に」

「水分補給?」

「体内の水分持ってかれる。B級以下ならそこまでじゃないけど、A級が複数だと下手したら動けなくなるし。S級以上になると肉体が蒸発するよ」



D地区には、やたらとβの黒禍が現れるから嫌なんだよねぇ。攻撃は大したダメージにならなくても、触れたところから水分持ってかれるから気付いたら体力削られてるなんてザラだし。

特に特Sのβとか別格だし。ノーダメで倒すくらいじゃなきゃ、下手したら死人出るし。

腕掴まれて腕がカラカラに干からびて無くなりました〜とかザラだったしね。もちろん、その人はもうこの世にはいないんだけど。

と、まぁ…D地区はかなりの魔境って事で新人には余り向かない場所なんだよね。新種が目撃されるのも基本的にD地区からだし。



「沙羅さんは、この地点で待機でお願いします」

「ん、ついでにこの辺の黒禍は殲滅しとく」

「…手出さないんじゃなかったんスか?」

「目の前に現れた敵を見てみぬフリ出来るならするけど、あっちが向かって来る以上こっちも応戦するっつーの」

「…赤也。沙羅さんが言ってる事は論理的だ。そもそも、我々は着いて来て貰ってる身だぞ」

「そりゃあそうッスけど…」



本当に血の気が多いな。ま、別にこいつに好かれようとか認められたいとか微塵も思ってないから、好きにしてくれって感じだけど。

とりあえず、さっさと任務を終わらせてくれ。あたしは、この後に特Sの任務が控えてるんだよ。正直、こんなんに付き合う暇があるなら寝てたいくらいなんだからな。

つーか、篤京しかいないって事は…特Sに行けるのが2人しかいないって事だし。

あぁ〜マジでしんどい。もう平等院でもいいから来いよ。あいつ来ると色々面倒くせぇけど、腕は確かだし。

いや、あいつは新人イビりが趣味だからダメだ。これ以上、カズヤの様な被害者を出す訳にはいかん。


- 1 -

BACK | NEXT

[ back to top ]