あぁ〜っ、疲れた。
いくら人手が足りないからって、遠征させ過ぎだから。そもそも、一番の激戦区で常に人員不足の東北支部から遠征させるってどういう事だよ。
まぁ、色んな意味であたしが遠征させやすいからなんだろうけどさぁ。
移動中のヘリの中で、そんな事を考えていると不意にヘリに通信が入った。
「"もしもーし!沙羅ちゃん、いる!?"」
「あぁ?いるも何も支部に帰ってる途中だっ…」
「"突如、S級の黒禍が現れたんだ!そのまま、現場に降りてくれない?"」
「はぁ!?近くに誰かいない訳?」
「"近くでA級の駆除をしていたチームが2組いるんだけど、どうにも先日来たばっかりの新人チームでね。そもそも、まだS級の相手は出来ない子達なんだよねぇ"」
「・・・ったく、わかったわかった。エリア情報送って」
「"まだ死なせるには惜しい子達だから、よろしく頼むよ!"」
いや、どんな理由だ。
とりあえず、運転手には送られてきたエリアに向かって貰って…。
特Sじゃないみたいだけど、それなりに本気で行くか。ていうか、早く終わらせて帰りたいし。
そして暫くして、送られてきたエリアの近くに着いたらしく運転手が着陸について聞いて来たので、軽く窓からエリア付近を見つめ具合を確認する。
ほ〜…なかなかのオーラだねぇ。となると、あそこは複数を相手にしてる感じだな。
それに空気が歪んでるのを見る限り、こりゃあ急がないとヤバそうだな。
「着陸はどうしっ…」
「ん、必要ない。なんかジャミングで通信使えないっぽいから、B地点で待機してて」
「なっ…!」
運転手に待機場所を指示して、ヘリのドアを開けてそのまま降下した。
ていうか、自分にオーラ放出すればこんなの余裕だしね。
そして凄い勢いで迫って来る地面に片足で着地し、そのまま勢いよく地を蹴り、目についた黒禍を蹴り飛ばした。
「ん〜っ、この感じはこいつはA級か」
「なっ…!?」
「なるほど、あの子が相手してるのがS級か。君、こいつのコア破壊よろしく」
「えっ、いや…ちょ!?」
「そこの子、怪我してんでしょ?終わったら、治癒してやんな」
とりあえず、後はあのS級だけみたいだから…さっさと終わらせるかねぇ。
はぁ…正直、守りながら戦うのってかなり疲れんだよなぁ。でも、まぁ…助けろって命令だし、無茶してでも助けなきゃならないんだけど。
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